空の上の戦士、そして女神
西暦856年、迷い込んだ兵士アルトは謎の剣士と出会った。
そこは赤くて、死体が並びどこか懐かしいある砂漠だった。
その中には自分に似た剣士が倒れており、アルトが使うことのできる聖剣がそこにはあった。
そんな中、謎の剣士に正体を聞かれそうになったが、アルトはいつの間にか気を失っていた。
ここはどこだ?
何故だろう、思い出せない確かあの女と話してからの記憶がない。
気付いたらここで寝ていたというより気絶していたが、何かの振動で頭をどこかでぶつけてしまいそれのおかげで意識を取り戻したのだ。
何かのエンジン音だろうか?古びた音がこの空間に伝わってきている。
俺は一人で、この恐らく物置部屋だろう場所で、とてつもない時間俺は気絶していたらしい、何故なら時計の針が西暦856年、07:15を指していた。
―ん?、、、んん?....んんんん?んんんんんんん?―
西暦856年?....おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!!!
俺の時計壊れてんのか?だって西暦856年って。じゃあ俺は過去の世界に来たのか?
じゃあ昨日の晩の赤い砂漠から俺は西暦856年に迷い込んだのか?
こんなことするなんて神様はひどい。でも俺はこれからどうすればいいんだよ。
その時だった、同じ空間に誰かが居たのをようやく気付いた。
「ねぇ、君?ここの傭兵じゃないの?」
多分同じ年齢だと思われる少女が不意を突くように聞いてきた。
白い修道服を着て髪の毛は多分天然の金髪で、瞳はなんとも綺麗な青でなんと言ってもこんなに可愛い人を見たのは....あいつ(・・・)、以来か。
よく見れば、なんかあいつに似ているな。
「俺も多分君と同じ感じの立場だと思うよ、俺はアルト、アルト=ハルステンだ。
一応、連合国軍だけど知らないよね」
その時彼女は何かに驚いた様子だった、何かおかしなことを言っただろうか?
あぁ連合国軍のことか、確かに驚くのも無理はない。
「私はエリス、家名は言えないのごめんなさい。君が言う連合国軍?はよくわからないけど私は共和国の人間なんだ」
この世界には共和国というものがあるのか、まぁ大して連合国とか同盟国とは変わりはないだろう。
「確か、君そこで気絶していたのよね。ごめんなさい最初死んでいるのかと思って
起こせなかったのよ」
本当に神様は意地悪だ。こんな可愛い子が起きた時目の前にいたらどれほど幸せだろうか。
多分、失神かマジで死んでただろう、無論良い意味で。
「エリス、ここはどこだ?俺は昨日からの記憶がないのだ、そして君は誰だ?」
「一応、聞くけど私の事知らないの?結構有名人なんだけど」
有名人か、それは本来自分以外の誰かから口にする言葉だが....
エリスなりの自信があるらしい。
「私が家名を言えないのは、もうわかるでしょ?この世界の基本だし」
え-、エリスさん、俺がこの856年に誕生してからまだ二日目です。
生後二日目の赤子に世間的なことを聞かれても、なんと答えれば。
「なんだよ?」
「いいね、家名が言える人は軽い罪で。私はそれすら罪になるのよ、いいよ教えてあげる私のもう一つの名前。私の呼び名は....」
―人殺しのセイレーン-
どこかで聞いたことのある名前だった。そして俺は察した、今この世界で俺は
どうやら犯罪者らしい、理由は彼女のあだ名と発言から推測した。
この世界から太陽が消滅するまで残り185時間だと、まだ誰も知らない。
To be continued….