序章 新世界より
かつて世界から太陽は奪われたのだ、1000年前のある時を境にこの世から世界に光は消えてしまった、命ある者は死を恐れ、崩壊を恐れた。ある伝記によると神はまたこの世界に新しい太陽を創り上げたようだ、このことから今の世界は「新世界」と呼ばれている。
「おい、アルト明日の作戦はお前が第二部隊の隊長か?」
-1856年 世界大戦期 65エリア 連合国軍奇襲部隊兵舎-
隣にいる同じ部隊の仲間が俺に聞いてきたのだ。明日俺たち連合国軍は妖精族率いる同盟国軍の作戦司令部に奇襲攻撃を仕掛ける。
つまり今晩は作戦前夜であり、しかもとても特別な前夜なのだ。
「明日で戦争が終わるんだ、これで故郷に帰れる....」
別の仲間が自分の思いを告げた、そうだ明日は終戦を迎えるのだ。
連合国軍の仲間である「天使族」が最終作戦を行うらしい、俺たち人間族には明日の作戦については自分たちの作戦以外内容について何も通達されていないのだ。
どうせいつものことなので気にしてはいない。
「アルト、お前そろそろ行かないとやばいんじゃないか?」
確かにそろそろ時間だな、俺は連合国軍の最高指導者の下に行かないといけないのだ。
最高指導者とは連合国軍の指導権を持ち、作戦の命令権も持つのだ、つまり連合国軍のリ-ダ-だ。
今日の明け方に行われた「作戦会議」で最高指導者代理人から今晩、最高指導者の下に行くように言われたのだ。
「多分明日のことだろ?早く行け隊長さん」
相変わらず一言多い奴だ、でもこいつの言う通りだ、遅れるわけにはいけない。
俺は部屋を出る準備をした、本当にマジでヤバイこいつらと話し過ぎたな。
机にかけていた軍服に着替え、時間を見て今自分が危機的状況だと改めて確認した、
腕時計の針は1856年19:57を指していた。
俺は急いでドアノブに手を掛け、部屋を出た。
本来、目の前には兵舎の廊下が見えるはずだが、俺の視界にはそんなものはない。
少しばかり自分の目に疑いを持った。
目の前に広がるのは、
暗い空と、赤い大地、そして俺に似た顔の剣士だろうか....地面で倒れて手にはどこかで見覚えがある物を持っていた。
まさかこれ....
「おい、こいつ、聖剣か?しかも俺の剣じゃないか」
聖剣は彼の体を貫通して、地面まで突き刺さり剣は彼の血で汚れていた。
異世界にでも転生したのだろうか?まぁそんなはずはないだろう、この聖剣が今ここにあるなんておかしいのだ。
そして俺の目の前にはどこかで見たことのある景色の中にあるものが見えた。
―女剣士だろうか―
戦場にただひとり聖剣を持ちこちらを見ていた。その時俺の時計が時間は変わらず
856年を指していたことに俺はまだ気づいていない。
To be continued….