?? 未来の話をするとしよう
……未来を垣間見た。
広い大地の真ん中で、二人の少年が向かい合っていた。
強大な魔力のぶつかり合いの中に二人の少年がいた。
片方は白く煌々と輝く右手を。
片方は金色に輝く煌びやかな剣を。
両者はそれぞれの最大の武器を相手に向けていた。
「『ただその■■を■■■ために』ァァァ―――ッ!!」
「『ただその■■を■■■ために』ォォォ―――ッ!!」
それは遠い未来、いつか出会う二人の互いの信念を懸けた戦い。
世界のルールすら壊せる可能性が示唆されているという『議事録』を獲得するための戦い。
かたやもうこの世界のどこにも存在しない少女を救うために。
かたや限られた命しか生きられなかった少女を救うために。
世界のルールを壊すにはあまりにもちっぽけなそんな理由で、二人の少年は世界の全てを巻き込む戦いをしていた。
私はあくまで傍観者。彼らの物語の脇役にしか過ぎない。彼がそこへ至るために運命のレールを敷くためだけに存在している装置でしかない。
であれば、私はその運命通りに彼をそこへ導くとしよう。
そして一万年後の未来のために、皮肉を込めて今の私はこう名乗ろう。
『最古の魔法使い』と。