表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rё-BiRth  作者: 榊原ちとせ
1/1

プロローグ

 ああ、憎かった。ひたすら憎かった。罪なき我らを滅ぼした奴らがにくかった。復讐する事もせずただ隠れてるだけの我自身も憎かった。この憎悪に我の身体は蝕まれていった。


 しかし、それも今宵まで。


 夜が明けるとき、闇夜と共に消えるのだ。この世に生きた痕跡を残すことなく消えるのだ。


 ああ、でも、それでも一矢報いてやりたかった。臆病な我は隠れていただけだったが、あの時のことを忘れたことは無い。飛び散る深紅の血、転がってゆく漆黒の鱗の付いた赤い肉片、血肉の焦げた鼻を突く悪臭。そして、それを見て嗤う同族であった奴ら。


 ああ、なぜ罪なき我らが滅ぼされなければならなかったのだ。ただ静かに暮らしていきたかった我らを。断罪と称して、我が一族を惨殺した奴らの方が罪深いではないか。奴らの方が罪深いのだ。



 罪深き奴らに復讐を。罪深き奴らに断罪を。



 いつかは叶えたかったこの思い、今宵、我とともに消え去るのだ。そう、夜が明けるとき、闇夜と共に消える、はずだったのだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ