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いん~せき、どん ちゃちゃらんららん

「き、緊急ニュースです! 地球の近くに突然隕石が現れました! 直径は六十キロ! このままだと日本に直撃です!」

「「なにぃいいいい!?」‏


 えっとこのお話打ち切りかと私も思っていたので寝耳に水です。いやほんと。

 お久しぶりです。ミコトさんと弟さんも驚いております。


「ねーちゃんのせいだ~!」

「なぜ私のせいなのよ!」


 ミコトさん弟さんいたのですか。ちょっと詳しく。

 少しさかのぼります。


「学校休みにならないかな」

 ミコトさんと違って弟さんは学校が嫌いな模様です。

「あの校長って頑固だもん。ありゃ隕石でも振ってこないと無理」


「雪降っても登校させられたもんねえ」


 ため息をついたとたんにこのニュース。まさに猫に風呂。



「ねーちゃんのせーだぁー! ねーちゃんが隕石とかいうからだぁ」

「私にそんな力あるかぼけ! ホトケ! 聞いているわよね! 何とかして! あるだろ隕石を消しちゃうやつ系のすごいの!」


「ないにゃー」

「「くそつかえねぇーなぁー!!」‏」



 どこからか響く謎の声というかホトケの声に姉弟の麗しき悪態!



「ていうか、隕石って映画みたいに核兵器でぶっ壊せないのかしら」

「ねーちゃん。万有引力がこの世界には存在するから、小惑星はぶっ壊れても普通にすぐ再結集するよ。そうしないと地球をはじめあらゆる太陽系天体は生まれないよ」


 妙に詳しい弟さん!

 将来が楽しみです。


「じゃ、いい方法があるわ!」

「姉ちゃんどうするの」


 ミコトさん、朝食の猫まんまをひっくり返さんばかりの勢いでモニタを指さします。


「茨城県に牛久大仏という巨大モニュメントがあるの! そこにポチを連れて行く!」

「で、どうするの」


 ミコトさんの弟さん、ミツキさんはその茶碗を華麗にキャッチ。そのままポチにあげてしまいます。

 ああ、衛生面で不安な行動ですがこのおうちでは平常運転なもようで。



「ホトケを召喚してね! 尻尾を高速回転させると牛久大仏と合体して全高120メートルになる巨大ロボット『キングウシクダイバダッダー』になるだろうからこれで迎撃を」

「もしもし救急車ですか。姉が錯乱しており申し訳ないのですがすぐきてください」


 猫まんまを食べてミャァと鳴くポチさん。

 今日もミコトさんちは平和です。


 いや、隕石が迫っているので平和でもなんでもないのですが。


「救急車が忙しくて来れないぃ! ……ねーちゃんのせいだぁ!」


 とりあえずこの状況毛づくろいを絶やさぬポチさん最強でよろしいでしょうか。

 いや、それでも普通に通学準備をするミコトさんパナいっすね。


「ねーちゃん! 学校なんて休みに決まっているよ! 逃げないと!」

「逃げるって言われても……地球が滅ぶなら別に学校に行ったっておかしくないかと」


 勤労学生ミコトさん。実に見上げた根性ですな。

 そこに登場ホトケ!


 またも『千両』と書いた大判をもって……もって……。


「大判どうしたの」

「質屋に売ったのだ! とある世界では新型コロナウィルスなる疫病が発生しており、その救済に当てたのだ!」


 巨大猫はそのようにほざいており。


「いや、そんな金塊もらえるなら、ぼくに欲しかった! 姉ちゃんのばか~~!」

「ばかいうな~~! 関係ないよ~~!」


「ばかばかばかばか~~!」


 意味のない争いにホトケの光!

 なるか発進正義のロボ!



「(ミコトよ……ミコトよ聞こえますか)」

「な、なによこの声?!」


「(私はあなたの心に話しかけています)」

「え、意味わかんない」


「ねーちゃん。2010年代に流行ったインターネットスラングみたいだよ」

「そんなの知らないわよ!」


 弟さんはここぞとばかりにはやし立てます。


「やーいねーちゃんのバカ」

「ばかっていうやつがばかなのばかばかばか~!」


「知らない奴がばかなんだ~~!」

「知らなくても問題ないわよ。それより不要な喧嘩の為に知識を得るほうが馬鹿よばかばかばか~~!」



 二人の間に謎の女声が響きます。

 ホトケがちょっと頑張ってボイスチェンジャーをしているようです。

 最近はVtuberとか便利ですな。


「(争いをやめなさい。それよりもあなたの愛猫、ポチの背中に茶缶を乗せるのです)」


「そうするとどうなるの?」

「(地面からオベリスクが七千ほど生えます)」‏


「「パねえ!」」



 問題はそれで隕石を迎撃できるかと言えば否でありますが。THEカオス‏であります。


「ぼくだけ逃げよう!」

「いい度胸だね弟! 私はどうなるのよ!」


 なお、二人の父上母上はもう出勤した後でございます。

 まさに後の祭り。


「まって姉ちゃん。逃げる方法あるよ」

「なによ」


 弟さんは飛び出したパンを加えてniceポーズを決めます。


「ほら、いつぞやの宇宙海賊が橋の下でブルーシートハウス作って住んでいるでしょ」

「あああああああ! あいつらかあ~~!」


「あれで迎撃すれば簡単だよ!」

「あの……ホトケである私の出番は……」


「「ない!!」」


 これぞ他力本願ならぬ自力救済!



「そうときまったらポチ! 起きてお願い!」


 ミコトさんはポチに韓国海苔を乗せんと奮闘します。

 弟さんが呟きます。


「なんかWikipedia曰く、韓国海苔は超高速通信に意味ないらしいよ」

「なんですって~~!」


 じゃ、どうやって海賊と連絡取るのよ!

 詰め寄るミコトさんに弟さん、携帯端末を取り出して。


「やっぽ! 海賊さんたち元気!」

「おお! ミコトさんちのミツキくんじゃん。どったのさ。またするめ持ってきてよ」


 ミコトさんは呆れています。


「するめ喰うの。あいつら」

「彼らはするめを食うとするめになる」


 ならねーよ!


 とにもかくにも迎えに来てもらうことにするしかありません。

 二人はおぶっぱんの力で超恒星間移動し、宇宙を一周して地球の河川敷にある宇宙船に戻ってきました。


「ねーちゃん!」

「なによ弟」


「どうやって直すの? 姉ちゃん工学のセンスないでしょ」

「よくぞ聞いてくれた弟よ! 好男子さんじゃなかった講談師さん本日の出鱈目どぞ!」


 出鱈目ってあんた……それ酷くないですかミコトさん。

 では!(ポンポン!)



 起死回生の空間アにゃーリスト

 地球家が抱えた悩みとは巨大隕石襲来!(パンパン!)


『隕石落下五〇時間前』


 住み慣れた我らが地球はたかしまあきひこの曲と共に亜光速に達した隕石により三塁付近を中心に地殻津波が発生、また衝撃によりマグマが活性化、人類を滅亡一歩前!


「三塁ってなによ!」


 五月蠅いですな。ここからがいいところです。


 なんていうことでしょう! 住み慣れた我らが地球はまったいら。

 ここから地球はいかにして再生するのでしょうか。

 匠のビフォーアフターが光ります。



「滅んでる! もう滅んでいるじゃん!」

「ねーちゃんのせいだ~~!」


 松谷卓の音楽と共にビフォーアフター!

 人類は消え去り新たな命がワイルドライフ!


 匠からのプレゼント。

 プラスチック袋問題が解決し、これでもうクジラが喉を詰まらせる心配はありません。

 これからは地球で家族ゼロ。放射能もなく快適に暮らせることでしょう。


「地球滅んでいるじゃん!」

「おね~ちゃんのせいだぁあああ!」



 そして河川敷に横たわる宇宙船の残骸。

 匠はこれを何に使う気でしょう。



「え?! 嘘! それ私に投げるわけ?!」

「がんばれねーちゃん!」



 仲良し家族が五年ぶりに河川敷へ。そこに現れる宇宙船とは!


「連載期間を入れたメタネタすな! 数か月たってないわよ!」


 普通にぶっ壊れておりますな。


「ああ、やっぱだめかああ」

「うん。普通に壊れているから。あ、古代生物さんありがとう」


 なんかゴキブリをポチからもらって喜んでいる海賊たちにミコトさんも哀愁を感じているようです。

 とりあえず、宇宙船を稼働させねば人類は滅びますが、こういう時に限って米軍だの露西亜だの中国だのが出張ってきまして。


「人類の共通遺産である宇宙船は人類すべてのものだ~~!」


 あんたら有害物質出していると判断して昨日までゴミ扱いしていたじゃないか。

 ミコトさんでなくともブチキレですよ。



「ええい! とりあえずホトケ! なんかだせ! 不思議なポッケで叶えてくれ!」

「わ、わかったある」


 空を自由に飛びたいなって? 飛んでいる場合じゃないでしょうミコトさん。



「まず、ポチに」

「うん!」


「お手を仕込むのだ」

「え。今から?! それをするとどうなるの!」


「風呂に素直に入るようになるであろう」

「すごい!」

「ねーちゃん。今日はポチの蚤の話はどうでもいいじゃん」



 な、ポチ。

 ねこじゃらしを手にポチと遊ぶミツキさん。

 ポチの肉球がねこじゃらしを求めてパッチンパッチン。


 そこで!


 猫の狩猟本能を猫じゃらしが加速するのは周知の事実でありますが(ポンポン!)

 その大きな理由は猫とのスキンシップ及び夜行性である猫が夜に暴れないように眠らせる為と言います。


 この瞬間ポチの首領奉納は加速し、首領として奉納の行動を行うのでありこれは決してミスタイプではございません。


 そうして捧げられた獲物、海賊たちは「ええええ?! 俺たちぃ?!!」見事にお空の塵になり。「横暴だあああっ!」宇宙船は見事起動したのでございます。



 排球拳行くわよぉおおお!

 はぁい!(*´Д`)



 そしてバレーボールよろしく宇宙にトスされたミコトさん。オブッパンを食べて超高速転移。

 見事に隕石はまわりまわって地球を爆撃。


「意味ないジャん!」


 そこは安心してほしい日本には憲法九条があるからあらゆる厄災も封じられる。

 これがホトケの加護球状バリヤー、もとい九条バリヤーでございます。


 こうして、地球における第三次世界大戦を乗り切った日本国は、火星と木星の間の輪、アステロイドベルトを超えて宇宙に向けて旅立つのでありました。まる!

韓国:なお、九条を破ると航行能力を失うようです。窮状だけに

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