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残虐悪魔の偽正義  作者: 残虐ナルシ
『悪魔狩り』の悪魔と『最弱』の少女
2/6

第1話 天雕守

「おにいーちゃん、朝だよ。起きてっ♡」

 俺はそんな可愛らしい声で起こされた。

「まだ時間的に大丈夫だろ…もう少し寝かせろ…」

と言いつつも、こうなるとこいつは徹底的に起こそうとするから、諦めて俺は上半身を起こした。

「だって、今日はお兄ちゃんの入学式だよ?それに、同じ学園の中等部にわたし転校するんだよ?お兄ちゃんと同じ学校だから嬉しいの♪」

「わかったからとにかく落着け、近所迷惑だ。」

「はーいっ♡ 朝ごはんはできてるから早く一緒に食べよっ♡」

そう言って妹は俺の部屋から出て行った。

…早速朝から疲れ気味になった俺は制服に着替えリビングに向かった。


俺は天雕守、今日から関東圏の高校に通うことになる男子生徒だ。

で、さっき俺を起こしにきたウザいけど、他人からは可愛いと評判なポニーテール女子は、妹の天雕流果だ。

俺が黒髪で緑色の瞳、流果が青髪で黒の瞳であることから分かると思うが、俺らは血の繋がっていない義兄妹だ。俺らが物心がつく頃にはそれぞれの両親は離婚しいて、俺の父親と流果の母親が結婚したことで俺らは出会えた。

みんな仲良かったし、平和で幸せだった。…だけど、俺が10歳、もうそろそろ5年たつが、俺らの両親は殺された。未だに原因は不明、犯人も不明、何一つ解決されないまま調査は打ち切りになってしまった事件だった。勿論、俺や流果は泣いた。泣いて泣いて泣いて泣きまくった。そんなことしても両親は戻って来ないと知っていながらも…。その後、俺らは父親の方の祖父母に引き取られた。そこで何とか元の…いや、まともな心理を取り戻しつつ過ごしていた。

まあ、そんなこともあったけど、ついこの間までは祖父母の家で平穏な暮らしをしていた俺は、関東圏のある高校に受かったため、こっちに引っ越すことになったが、流果が俺と一緒に暮らしたいと駄々をこねたんで、高校附属の中学の編入試験受けさせたら難なくクリアされたので、主に兄弟でそこの学生らが住む家族用の学生寮に住むことになったわけだ。

で、引っ越してから一週間後の今日、4/9が高校と附属中学の入学式と始業式である。因みに、入学式は中高合同でやり、参加者はそれぞれの1年とその保護者のみの参加のため、流果は一つ下の中三だからこれには出れない(これを知ったとき、流果は何故か悔しそうに地団駄を踏んだ後、激しく暴れたため、俺が周囲の部屋にその後、一部屋ずつ謝りに行く羽目になった)

そんなこんなで、俺らはこの関東圏での生活での生活に慣れつつあり、万全の状態で今日に望みたかったわけだか…


まさか朝から疲れるとはな…と俺は妹が作った朝食を食べながら思っていた。対照的に妹は嬉しそうに鼻唄まで歌っている。

「食事中なんだから鼻唄歌うなよ、行儀悪いしウザい」

「いいじゃん♪だって、お兄ちゃんと同じ学校に通えるの嬉しいんだもん♪」

「今まで中学とかも一緒だったろ…今更何が嬉しいんだよ」

「だって、お兄ちゃんが関東に行っちゃっうのにあの中学に残ってたら、中々お兄ちゃんに会えなくなるのよ?私、寂しくて死んじゃう」

「じゃあ、勝手に死ね」

ふざけたことをほざく流果にそう返すと、俺はテレビをつけ、気になっていることがあったのでチャンネルをニュース番組に合わせた。

つうか妹よ、ひどいひどい言いながら人の頭をポカポカ叩くな。

俺は流果のそれから身を守りながらニュースを見ると…

『次のニュースです。関東地域の特殊地域付近の住宅街において4人の変死体が見つかりました。また、それらの変死体の近くで意識を失っていた19歳の男性三人が保護されました。男性らは重症ですが命に別状はないとのことです。警察は異能力者による犯罪と見て捜査する方針です。あ、ここでこの件についての新しい情報が入りました。先程の男性らですが、意識は取り戻したものの、自我がないなどの症状が現れているということです。この件について、新しい情報が入り次第引き続き…』


…やっぱ流れていたか。この事件は、昨日、不良に絡まれてた月明かりが似合う少女を助けるときに俺が起こしたものだ。

ニュースでは現場中継に移ったが、四つの肉塊と化した死体の惨状は俺が殺ったから詳しく分かる。

一部は焦げてたり溶けて地面に張り付いた肉片と冷気を帯びて潰されている肉片、すべてが粉々に粉砕された肉片、最後は何かに怯えるような表情でショック死した肉片の四つだ。そして、三人の男らの傷からは黒い禍々しい煙のようなものが出ていて、血は止まったが、傷は残ったままのはずだ。

…もう、俺の話やニュースから分かったと思うが、この世界にはあるものが存在する。それは、今回のような人間技では不可能なことを簡単になすような、そんなある力…異能力が存在しているのだ…

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