出会い 3
私は目を閉じた。そして、目を開けようとして暗転した。
そして、目を開いたら違う世界に居た。
正確には、ベッドに寝かされていたことが正しい。
私は、シニリバーナの森に倒れていたところを保護されたということだった。
シニリバーナの森は、貴重な薬実・リベリナーナが実る森で、森に入ることができるのは許可を得た者しか入れず、許可を得ずに入るとその者に死が訪れるという。
その森に私が居たことに自分自身も驚きだが、それ以上に私を発見した人のほうが驚いただろう。
(無許可の者の)致死率100%の森で生きていたのだから。
倒れていた私を発見し保護してくれたのが、ライの父だった。
ライの父は、アマン村で医師をしているライの祖父に私を診せてくれたのだ。
私がそれを知ったとき、とても感謝した。
そして、私がなぜシニリバーナの森に居て生きていたのか話をしていくうちに私の身の上に起きたことが分かってきた。
私はいわゆる異世界トリップというものを経験したのだ。
私を保護してくれたライの父は、ユリーリア市で教師をしていて、私の世界でいう大学で薬学を専攻し研究している。特にリベリナーナなどの“神のしずく”と言われる神聖な植物を研究している。
“神のしずく”と呼ばれる植物は、この世界ではどう考えても理解しがたい要素が重なり生まれた稀なものである。そのためライの父は、神学などを学んでいた。
そのためか、私が異世界にトリップしたことを早々に理解した。
『あの、良いんですか。一応、学者のことが信憑性のないものを信じて』
『え、君嘘ついてるの?』
『そ、そんな訳ありません!』
『じゃぁいいじゃない。この世に信じられないものがあるのは当たり前。理解できないからって向き合い方を変えたら、正確な判断が出来なくなるからね』
そんな感じで、ライの父と祖父そしてのちに、ライの母から、私のトリップについて理解を得ることが出来た。
そして、私が簡単に元の世界に帰れないと分かるとライの姉として引き取られることが決まったのだ。