第十一話 長篠の戦い
武田勝頼は戦国時代を駆け抜けるように生きた人物です。勝頼は武田勝頼の側室の子で四男でした。。本来なら当主にはなれない立場で、一時期は母方の諏訪家を継いでいました。しかし、兄たちの失脚や死などて急遽、家督を継ぐことになります。そんな勝頼は古参の重臣たちから認められず、そのため決戦である長篠の戦いでも家臣団は一丸となることができませんでした。
1575年6月29日。長篠の戦い。
織田・徳川連合軍、7万2000騎。
対する、武田軍は、2万5000騎。
設楽原に展開した両軍は、その早朝に激突した。
ババババーン、ババババーン、バババババーン!
鉄炮の轟音が鳴り響き、
バタバタて倒れる武田軍の騎馬軍団。
その様子を本陣から見ていた俺は、
「戦の戦い方も変わったな」
と、隣に立つ毛利新介に語った。
新介は俺の顔を、チラリと見て言葉を返す。
「俺とお前が、桶狭間で活躍したのは15年も前だ」
桶狭間では俺が今川義元に一番槍を付け、
その後、新介が義元の首を討ち取った。
ババババーン、ババババーン、バババババーン!
絶え間なく銃声は響く。この合戦のために、
信長様は1000挺を超える鉄砲を用意した。
「誰か、前線の様子を見て来い」
「信長様、拙者が見て参ります」
俺は槍を携えて馬に乗り、最前線へと向う。
バババババーン、ババババーン、バババババーン!
最前線では、より一層激しい銃声が響いていた。
鉄砲隊の周りには、おびただし硝煙が漂う。
だが、その時、
「止めろ、誰か、止めろ!」
兵が騒ぎ出した。その方向を見ると、
馬防柵を蹴散らして、一騎の騎馬武者が、
猛然と突入して来る。
「我こそは山県昌景なり!」
赤備の馬上の武士が名乗りをあげた。
「あれが武田四天王の一人、山県昌景か」
昌景は大太刀を振るい、鉄砲隊に襲いかかる。
「に、逃げろ、武田の騎馬武者だ」
逃げ惑う鉄砲隊。
それを目の当たりした俺は騎馬を走らせ、
「とりゃあ!」
昌景を狙って槍の一撃を放つ。
ガツン。
充分に手応えがあり、左肩を突かれた昌景は、
馬上から転げ落ちた。それでも、
「お、おのれがッ」
と、昌景は右手一本で大太刀を振り上げる。
愛知県新城市にある長篠・設楽原の戦い古戦場では毎年6月頃に「設楽原決戦場まつり」が開催され、戦死者の供養や合戦の再現が行われ、武者行列や鉄砲隊の演武なども行われます。その他、ほら貝や太鼓も演奏され場を盛り上げます。




