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第十話 浅井長政の最期

 浅井長政は知勇に優れた美男子と評されていました。長政は1545年。浅井家の嫡男として誕生します。父の久政は武勇に優れず、六角氏に従属するような立場に甘んじていました。1560年の野良田の戦いで長政は見事な戦いで多勢の六角軍から勝利。常に弱腰だった父・久政を追放して隠居を強要、家督を相続します。長政の武勇は織田信長の耳にも届き、信長の妹・お市の方と長政は政略結婚して浅井氏と織田氏は同盟関係を結びました。

 信長様は一乗谷城の戦いで圧勝すると、

 朝倉義景を自刃に追い込んだ。そして、

 そのまま全軍で浅井長政の小谷城を包囲する。


「すでに浅井軍には抗戦する力は残っていないな」


 信長様は包囲した城を眺めてニヤリと笑った。


「長政に投降を勧告せよ」


 俺は信長様に命じられて小谷城に向う。


「お久しぶりですね」


 小谷城では、お市の方が面識のある俺と、直接、

 面会した。


「愛都は元気にしていますか?」


 と、お市の方は元侍女の愛都の事を、

 気にかけているようだ。


「あなた達は本当に結婚したのですね」


 柔らかな笑顔を見せる、お市の方だが、

 その笑顔を遮るように俺は言葉を発した。


「信長様は長政殿に投降するよう勧告しています」

「残念ですが殿は敵に投降する気はないようです」


 お市の方は凛とした表情で言い、そして、

 1573年9月1日。浅井長政は切腹した。

 その後、お市の方と三人の娘は助け出されたが、


「嫡男の万福丸は処刑せよ」


 そう信長様が命じて、万福丸は、

 磔の刑に処された。この事を耳にした愛都は、


「可哀想に万福丸様は、まだ十歳ですよ」


 と、哀れんで涙を流す。幼い頃の万福丸は、

 侍女の愛都にも、よく懐いていたそうだ。

 さらに、翌年の正月には、


「皆の者、これを観よ、めでたい珍品じゃ」


 信長様が宴席に三つの髑髏を並べた。

 その髑髏には漆塗りに金粉が施されている。


「こ、これは」

 

 一同が、どよめくと、信長様は、


「朝倉義景、浅井長政、そして長政の父の久政だ」


 と、得意気に説明した。しかし後日、

 この奇行の噂を聞いた前田利家の妻・マツは、


「信長様は、あまりにも酷すぎますよ」


 そう言ったらしいが、忠臣の利家は、

 信長様を庇うように、こう応じたという。


「殿も、義弟の裏切りで気に病んでおられるのだ」

 浅井長政は織田信長と同盟関係にありましたが、信長が浅井氏と関係が深い朝倉義景を攻めます。板挟みになった長政は、朝倉氏を選び、義兄の信長を裏切る形で攻撃しました。これが金ヶ崎の戦いで浅井・朝倉連合と信長の戦いは、その後の姉川の戦いに続きます。

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