【第69話:森を抜けた先の遭遇戦とドタバタ騎士】
迷いの森を抜け、ようやく開けた草原に出たロイ、カレン、セリーヌの三人。太陽の光が降り注ぎ、森の閉塞感から解放されたはずだった。
「やっと…自由だな…」ロイは肩を回しつつため息をつく。四十肩はまだ痛むが、森よりはマシだ。
しかし、安心も束の間、遠くから黒い影が近づいてきた。
「敵…か?」カレンが警戒する。
「たぶん…いや、絶対敵だ!」ロイが答えた瞬間、その影は小隊の盗賊団だった。
「ま、待って!肩が!」ロイは四十肩で腕が思うように上がらず、剣を構えられない。
「私に任せて!」セリーヌは大剣を振りかざす。だが数日ぶりの実戦で動きがぎこちなく、振るたびに自分で地面に突っ込んだり、枝に引っかかったりする。
盗賊の一人が「お、お前…何やってんだ…!」と呆れ顔で突進してくる。
セリーヌは必死に剣を振るが、タイミングを外し、偶然にも敵の槍を巻き込んで倒す。
「な、なんか…勝った…?」カレンは半笑いで言う。
「いや、勝ったというか…ドミノ倒し…?」ロイは四十肩の痛みで身をよじりながら呟く。
その後も、セリーヌは意図せず敵の攻撃をかわしつつ、奇跡的に倒す「ドタバタ戦闘」を展開。
「これもロイ様の…肩のおかげ…?」セリーヌは感謝の言葉を繰り返す。
「肩って…使い方次第で最強かもしれんな…」ロイは苦笑い。
戦闘が終わると、盗賊たちは気絶したり逃げ去ったりし、三人は無事だった。
「…こうして森を抜けて、戦闘も経験できるなんて、なんて日だ…」カレンは苦笑する。
「俺の肩が、また役に立ったんだな…」ロイは誇らしげに肩をぐるぐる回す。
セリーヌはロイを見上げ、目を輝かせながら言った。
「ロイ様…やっぱり、あなたについていきます!」
こうして、ドタバタながらも仲間としての信頼が深まった三人は、次なる目的地へと歩みを進める。
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迷いの森を抜け、三人はようやく小さな町にたどり着いた。
「ふう…久しぶりに町らしい町だな」ロイが肩を回しつつため息をつく。
「あなた、本当に肩をぐるぐる回すのが好きね…」カレンは呆れ顔。
「痛いけど、これで体もほぐれるんだ…」ロイは苦笑い。
町の中央広場では、市場が開かれ、人々が賑やかに買い物をしている。しかし、その賑わいの影で小さなトラブルが起きていた。
「きゃあっ!」
一匹の子豚が逃げ出し、町中を駆け回る。子供たちは追いかけ、商人たちは怒鳴り、荷物は散乱。
「うわ…これ、誰の仕業だ…?」ロイが腕を回す。
「仕方ない…私たちで捕まえよう!」セリーヌは大剣を振り上げ、子豚を追いかけるが、力が強すぎて地面に穴を開けたり、桶を壊したりする。
「ちょっと!静かに!!」カレンが注意するも、セリーヌの豪快さは止められない。
ロイは四十肩で腕が上がらないため、仕方なく体を使って子豚を追う羽目に。だが、偶然にも子豚がロイの肩に飛びつき、彼の重みとバランスで転がるように町の通りを塞ぐ形になり、追跡者を巻き込んで偶然捕獲成功。
「肩…役立った…?」ロイは驚きながらも、セリーヌとカレンは笑いが止まらない。
捕まった子豚は町の子どもに返され、商人たちも破壊された荷物はなんとか許容範囲で済んだ。
「まさか肩がまた…戦力になるなんて」セリーヌは感動気味にロイを見つめる。
「いや、偶然すぎるけど…まあ、助かったな」ロイは苦笑。
「でも、私たち、町ではもう少し静かに行動しないとね…」カレンは真剣な顔で注意する。
その夜、三人は宿に泊まりながら、町での小騒動を笑い話にする。
「明日はもっと平和な日になるといいな…」ロイは肩を回しつつ呟く。
「平和…ねえ…この三人組なら、また何かやらかしそうだけど」セリーヌが笑う。
「やらかしても、俺の肩が守るさ…」ロイは胸を張るが、四十肩の痛みに顔をしかめる。
こうして、森を抜けた三人は町での小さな事件を乗り越え、新たな冒険への準備を整えていくのだった。
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