【第47話:街への帰還とロイ大モテ騒動】
修行を終えたロイ、セレナ、そして新たな仲間ミアは街の門をくぐった。
背後には、ミニマム姿に縮んだ神龍ラグナがちょこんと乗っている。
「おお……やっと帰ってきたか」
街の広場で待っていた仲間たちが駆け寄ってきた。
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「ロイ様……無事で良かったです」
落ち着いた受付嬢ミーナが、胸を押さえて安堵の笑みを浮かべる。
「ちょっと! ミーナさん、また一番乗りですか!?」
ルカが腕を組んで睨みつける。
「……やっぱり戻ってきたわね」
元虚骸軍のリゼルが鋭い視線を送るが、その口元はほんの少し緩んでいた。
「ロイさんっ……! あの、無事でよかった……」
聖女エリスは胸に手を当てて、頬を赤らめる。
そんな中――
「はぁぁぁロイ帰ってきたぁぁぁ! やっぱり頼れるオジサマなのよねぇぇぇ!」
フィオナが弓を放り出し、心の声を叫ぶ。
「ふ、ふふ……私の計算によれば、ロイが帰ってくる確率は――99.99%でした」
シルヴィアは眼鏡をくもらせながら、意味不明な数式を唱えていた。
「ロイ! おかえりなさーい!」
ティナは天然満開の笑顔で飛びつき――ロイを盛大に倒した。
「ちょ、ちょっとティナ! どさくさに紛れて抱きつかないでよ!」
「わ、私はっ……そんなこと絶対しませんからね!」
ルカが真っ赤になって叫ぶ。
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広場はたちまち大混乱になった。
「ロイ様、お怪我はありませんか? 温かいお茶でも――」
「いやいや! まずは聖なる祈りを!」
「ふふ、ここで抱きしめてしまえば私の勝ち……」
「ちょっと、何をぶつぶつ言ってるのよ!」
「ロイはオジサマ枠だからこそいいのよぉぉ!」
「おいおい、俺は荷物みたいに扱うなぁぁぁ!」
ロイは両手両足をつかまれ、まるで綱引きのロープのように引っ張られていた。
「セレナ先輩……これって、日常ですか?」
ミアが呆れ顔でつぶやく。
「……そうね。日常、かもしれない」
セレナは頭を抱えつつも、どこか誇らしげに笑った。
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街は再会の喜びと笑いに包まれた。
だがその片隅――鐘楼の上から、黒い影が街を見下ろしていた。
「……ロイ。お前の力が、次の戦いで試される」
不吉な囁きが、風に溶けて消えた。
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