表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/327

【第2話:四十肩おじさん、ファーストクエストでまさかの大活躍!?】

強キャラ感すごい三人に拾われた俺は、そのまま近くの村へ連れて行かれた。


 村は小さく、藁葺き屋根の家、畑、土の道……

 まるで幼い頃に見た時代劇の再放送そのまんまだ。


「うわぁ……ロケ地かな?」


 だが、村全体に漂う空気は重かった。


 広場に集まった村人たちの顔が、どれも深刻そうなのだ。

 その中でもひときわ震えている老人が、俺たちにすがりついた。


「旅のお方……どうか助けてください。井戸の水が濁ってしまって……飲めんのですじゃ……」


「魔物の仕業かもしれません!」

「このままじゃ、村が干上がってしまいます……!」


 村人たちが必死の表情で訴えてくる。


 すると、すぐさま仲間たちが動いた。



■ 仲間たちの“ズレた正義感”が爆発する


「任せてよ!」

 魔法使いの少女が胸を張る。

「《ファイアボール》で井戸ごと浄化しちゃう!」


 いやいやいや!


 浄化じゃなくて消滅だよそれ!!


「だったら私の剣で濁りを断つ」

 女騎士が静かに抜刀する。


 断てるか!

 水は斬撃で浄化されねぇよ!!


「じゃあ俺が力で掘り返して新しい穴開ける!」

 獣人少年が元気に拳を握る。


 村が跡形もなくなるわ!!



■ おじさん、全力のツッコミ発動


「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!」


 俺は思わず両手(肩が痛いので片手半)を広げて叫んだ。


「まず原因調べよう? いやマジで。

 生活の基盤なんだよ、井戸って!!」


 三人は揃って「?」という顔を向けてきたが、

 村人たちはなぜか俺に希望のまなざしを送ってくる。


(おいおい……四十肩のおじさんに期待するなよ……)


 でも、やらなきゃ本当に村が死ぬ。

 仕方ない……日本の中学で習った“生活の知恵”、見せるか。



■ 生活知識 × おじさん技術が刺さる


 俺は井戸の近くに行き、地面の石や草を集め始めた。


「なにしてんの?」魔法使いが訊く。


「濾過装置だよ。こうすれば、水に混ざってる異物が分かる」


 砂、石、草を層にして即席フィルターを作り、井戸の水を通す。


 すると――。


 ドロッ……と濁りと一緒に、小さな虫みたいなモンスターが出てきた。


「うわっ!? なんだこれ!?」

「キモっ!?」

「食える?」←獣人少年


「ダメだ食うな! これが原因だ!」


 どうやら井戸の壁に巣を作っていたらしい。


 原因さえわかると、仲間たちの対応は早かった。



■ その後の三人がチートすぎる


「《フレイム・ウィップ》!」


 魔法使いの少女が虫モンスターを焼き払い、


「任務完了」


 女騎士が残党を一刀両断し、


「とどめーっ!」


 獣人少年が最後の一匹を空中キックで粉砕。


 ……強すぎる。この世界の戦闘バランスどうなってんだ。


 数分後、井戸から澄んだ水が湧き出した。



■ 村人の歓声、そしてなんかすげぇ褒められる


「すごい! 水が戻ったぞ!」

「旅の方々、恩人です! 特にあの……そちらのおじさま!」


 げ。

 なんか俺が一番感謝されてる。


「いやいや! 強いのはこの三人だから!

 俺はただの四十肩おじさんだから!」


 手を振ると、仲間たちが俺を見る。


「……あなた、やるじゃない」女騎士。

「頭の回転は早いみたいね」魔法使い。

「おじさん、超すげぇ!」獣人少年。


 なんだよ……照れるだろ……。



■ 村の宴で気づく“ひとつの可能性”


 その夜は急きょ宴になり、

 村人たちからたらふく酒と料理を振る舞われた。


 火を囲みながら、俺はほろ酔いで空を見上げる。


(……俺、案外この世界でやっていける?)


 戦力としては最弱。でも、

 生活知識ならワンチャンある。


(いや、調子乗るなよ……肩は痛いままなんだぞ)


 肩を回そうとして激痛が走り、


「いってぇぇぇぇ!!」


 と叫んだ声が、星空に見事に響き渡った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ