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第2話 ダンピールの悲劇―― 白雪、沈む――

「海軍少佐、波間に散る――そして異世界へ」


太平洋戦争の実際の戦闘をベースにしつつ、異世界ファンタジーとして描く本作。


実在した軍艦と架空の人物を組み合わせて書いています。史実に詳しい方もそうでない方も、この物語を通じて「もしも」の世界を楽しんでいただければ幸いです。

 3月3日。故郷の日本本土では桃の節句だというのに、この南の海では雅な情景など欠片もない惨劇が幕を開けようとしていた。


 午前7時30分。


 「本艦針路前方、敵機多数、接近!数は……数え切れません、恐らく数百はいるかと!」


 見張員の叫びに、艦橋内の空気が凍りついた。見上げれば恐ろしい光景が広がっている。


空が見えないほどの連合軍爆撃機編隊――間違いなく数百機を超える数だ――が一斉に襲いかかってくる。連中は太陽の光を背に浴び、鋭い爪を持つ猛禽の群れのように見えた。


 第三水雷戦隊参謀長は、おびただしい数の敵機を見て、無感情を装いながらも、声に緊張を滲ませて言った。


 「司令官、これより全艦、対空戦闘に入りますが、よろしいですね?」


 「うむ、よろしく頼む」


 木村昌福少将――白雪に乗り込んだ第三水雷戦隊司令官は、前方の敵機群を鋭く見据えながら、驚くほど落ち着いた声で頷いた。


まるで日曜の午後にお茶でも飲むような口調だった。その余裕こそが、ベテラン指揮官の風格というものか。


 司令官と参謀長の意を受け、俺は心臓が凍りそうな恐怖を押し殺した。頭では冷静を装っていても、脈拍は確実に早まっている。


だが、今ここで動揺を見せるわけにはいかない。艦長として、部下の前では常に毅然とした態度を示さねばならないのだ。


「砲術長、対空戦闘用意を下令せよ!目標、前方の敵戦爆連合!」


 俺の命令に、砲術長は即座に伝声管へ向かって声を張り上げた。


 「対空〜戦闘〜用〜意!!! 目標、0時方向の敵戦爆連合!! 距離、8000!」


 命令が艦内各所に瞬く間に伝達されていく。まるで生き物のように艦全体が緊張の中で息づいているようだった。


そして、数秒もたたないうちに、


 「各部、対空戦闘、用意よし!!」


 との報告が飛び込んできた。俺は密かに誇らしさを覚える。


さすが、白雪は歴戦の駆逐艦だけあって乗員の練度も一級品だ。これが白雪艦長である俺の密かな自慢だった。日々の厳しい訓練が、こんな死地でも活きている。


 あとは敵機を……じっと待つだけだ。


 「自分はね、白雪の連中を信じているんだ。皆よく頑張ってくれた。絶対に任務は全うしてみせる」


 そう心に言い聞かせながら、俺は双眼鏡を握り締めた。


 さて、わが日本海軍も、敵機の来襲を予測し、なけなしの零式艦上戦闘機、通称零戦を方々からかき集め、可能な限りの上空警戒を強化してくれていた。


激戦に次ぐ激戦で疲労困憊の中、我々のために駆けつけてきてくれた零戦パイロットたちには感謝しかない。まさに国の英雄たちだ。


 「この薄い戦力で、よく来てくれたな……」


 だが数十機の零戦では、倍以上いるであろう敵機に対処しきれるはずもない。

物量に押される形で、爆撃機の大群が一気に艦隊へ迫ってきた。その様は、まるで黒い雲が押し寄せるかのようだった。


 「撃ち方始め!!!」


 「撃てぇっー!!」


 俺の声と同時に、白雪の主砲と対空機銃が一斉射撃を開始した。


金属的な乾いた音と共に、火線が空へと伸びる。しかし駆逐艦の武装では、敵の圧倒的な数に対応しきれない。


 「くそっ……本艦の主砲じゃ、対空射撃がろくにできやしない!」


 口惜しさで拳を握り締める。


聞くところによると、最新型の秋月型駆逐艦は、主砲の対空戦闘能力が相当優れているらしい。今ここで秋月型が一隻でもあれば……。いや、ないものねだりをしても仕方ない。


今あるもので戦うしかないのだ。


 「各員、落ち着いて射撃を続けろ! 焦るな!」


 俺はそう呼びかけたが、周囲は爆音と怒号でごった返していた。守るべき輸送船は次々と激しい爆撃に晒され、巨大な炎と黒煙が海面を覆っていく。


そして僚艦もまた、一隻、また一隻と被弾し、火柱を上げている。

まるで地獄の黙示録のような光景だった。


白雪直上にも、急降下爆撃機が上空から一気に距離を詰めてくる。


「敵機!!直上!!急降下!!」


「前進一杯!!取り舵一杯!!急げ!!」


「前進いっぱーい!」「とーりかーじ、いっぱーい、いそーげー!」


 白雪の甲板にも衝撃が断続的に襲い、乗員たちの悲鳴や怒鳴り声が交錯する。


間一髪で避けたが、落ちてくる爆弾の衝撃で、甲板も激しく揺れた。まるで大海で揺れる小舟のように。

 

「このままでは……」




 そして、午前8時10分。


 「右45度、魚雷接近!」


 見張員の鋭い声が艦内に響き渡った。俺は即座にその方位を注視する。


 だが海面には魚雷の跡などどこにも見えない。あるのはただ、奇妙に跳ねている爆弾だけ。


 「なんだ、あれは……?」


 飛沫を上げながら軽快に跳ねてくる爆弾――魚雷ではなく、"跳ねる爆弾"が海面を飛び跳ねていたのだ。


敵は「反跳爆撃スキップボミング」という新戦術を、あろうことか本海戦ではじめて繰り出してきたのだった。


こんな戦法、聞いたこともない!


 爆弾が海面で跳ねるという前代未聞な状況に驚く暇もなく、飛沫を上げながら軽快に跳ねてきた爆弾が、まるで魚雷のように水面を滑り、吸い込まれるように白雪の後部に命中した。


艦体が大きく震え、金属が軋むような恐ろしい音が艦内に響き渡る。


 「ひ、被弾! 艦尾に被弾!」


 俺が指示を出そうとした瞬間、木村司令官の声が艦橋に轟いた。


 「各部、被害状況を知らせ!!」


 その号令とほぼ同時に、後部弾薬庫が大爆発を起こし、艦体が酷く損傷した。


閃光と共に轟音が鼓膜を震わせ、一瞬だけ、艦橋内の全員が言葉を失った。


後方を見ると、まるで羊羹をナイフで切ったかのように、後部が切り離されたような形になっている。


激しい浸水で推進力を失い、艦が徐々に傾斜していくのが分かった。


 被害報告を集計していた副長が、真っ青な顔で俺のもとへ走り寄る。報告の内容は、思った以上に絶望的なものだった。


 「艦長、後部三番弾庫に爆弾が命中!!機関室、浸水、機関停止のため、行き脚が止まります……。現在防水に努めていますが、電力喪失のためポンプが作動不能、浸水を止められません! もって1時間、復旧は……絶望的です!」


 「そうか……」


 逆に妙に冷静になってくる。死の恐怖すら、もう遠い場所にあるような感覚だ。だが同時に、艦長としての責任感だけは、俺の心をしっかりと掴んで離さない。


耳を澄ませば、船内から悲鳴や叫び声が聞こえてくる。今この瞬間も、部下たちが死んでいるのだ。


 (生きている者だけでも助けなければ……!)


 そうか、これで終わりか。しかし、生きている将兵を一人でも多く帰す責任が俺にはある。

 

「総員、上甲板!! 総員退艦急げ! 重傷者は短艇カッターへ移乗! 動ける者は浮くものにつかまって海へ飛び込め!」


 俺の指示が甲板中を駆け巡る。


しかし、周囲では連合軍機が執拗に機銃掃射を繰り返し、爆炎と黒煙が容赦なく覆ってくる。


指揮系統はギリギリ保っているが、もはや艦内の状況を全て把握する余裕などなかった。


 (こんな無謀だと分かっていた作戦を強行し、多くの船と仲間を犠牲にするなんて……無能上層部のクソッタレ共めが!)


 口をついて出そうになる罵りを必死に堪えた。自分の感情よりも、今は部下の命を救うことが最優先だ。同時に頭の片隅では、沈みゆく艦と命運を共にする覚悟もあった。


艦長である以上、それが当然の帰結かもしれない。しかし――。


 ふと視界の端に、木村少将の姿が目に入った。


司令官席で泰然自若と座っている姿が見えたが、近づいてよく見れば、敵機の機銃掃射によって左腿と右肩、それに腹部を撃ち抜かれていた。


濃い紺色の軍服が徐々に赤黒く染まっていくのが、胸を締め付けるような思いで目に入る。


 「司令官! すぐ治療を――」


 そう言いかけると、司令官は弱々しくも左手を上げて俺を制した。


 「芦名艦長、信号員に命じて、マストに掲げてある『指揮官重傷』の旗旒を下げよ。陸兵さんが心配するからな」


 鋭い眼差しを向けながら司令官は俺に命じた。


 かすれた声ながら、その言葉には不思議な迫力がある。


 自らの命より、輸送船に乗った陸軍兵士たちのことを案じているのだ。


 「はっ!」


 俺は即座に信号員に命じた。


 「旗旒用意! 『只今の信号は誤りなり』を揚げよ!」


 血にまみれながらも味方を気遣う……なんて人だ。


 その揺るぎない意志に、俺は圧倒されるばかりだった。

 司令官は、なおも鋭い眼差しを俺に向ける。


 「芦名君、白雪はもう持たないかもしれない。だがな、君のような者が、こんなところで死ぬな。いったん帰ろう。帰ればまた来られる。これは三水戦司令官として、いや、海軍の先輩としてのアドバイスだ」


 艦と運命を共にしようとする俺を諭す言葉。その裏には、一人でも多く生き延びてほしいという司令官の願いが見え隠れしていた。


 木村司令官は最後まで指揮官として毅然としていた。


 「さぁ、芦名少佐、俺のことはいいから、乗員を一人でも多く救えるよう努力せよ。むろん、その中に君も入っている。ここは任せろ! 貴様は上甲板で指揮を執れ!」


 数々の修羅場を潜り抜けてきた木村司令官の有無を言わせぬ迫力に負け、俺は感極まってただ黙って敬礼し、艦橋を後にした。


 甲板に出ると、そこには地獄絵図が広がっていた。血混じりの海水が甲板を赤く染め、黒煙が視界を遮る。

 兵たちの悲鳴や怒号、重傷者のうめき声が、砲撃音と入り混じって響いている。


 「助けてくれ……家に……帰りたい……」


 兵士たちの痛ましい声が、風に乗って流れてくる。彼らの命は誰が救うのか。


 その責任は、この艦の最高責任者である俺にあるのだ。


 俺の近くで、一等水兵が苦しそうに口を動かした。


 「艦長……もう……駄目です……とし子……娘に……よろしく……」


 それが彼の最期の言葉だった。


 俺の脳裏に、かつて航海の合間に彼が見せてくれた一枚の写真が浮かぶ。


 幼い女の子を抱き上げた笑顔の彼——“とし子”と教えてくれた大事な娘。


 『絶対にこの戦争が終わったら家族を幸せにするんです』


 そう語っていた戦友の声が蘇る。


 俺は震える手で彼の手を握り返した。


 しかしその手からは、生の温もりが音もなく失われていく。


 氷のように冷たくなっていく指先に、芦名の胸は張り裂けそうだった。


 「……すまない……」


 芦名は絞り出すように呟いたが、その声は砕け散った波音にかき消された。


 親友を失ったような痛みが胸を刺す。同時に、自分の無力さへの怒りも込み上げてくる。


 そう呟いた瞬間、再び大きな爆発が艦を揺るがし、傾斜はますます酷くなった。


 血と油が混じった甲板の上で、負傷者を担ぎながら必死に移動する兵士たち。

 

 そこへ連合軍機の機銃掃射や爆撃が容赦なく襲いかかり、水柱が次々と噴き上がる。


 「負傷者を担げるだけ担いで、上甲板へ集まれ! 急げ!」


 俺の声にも限界が滲んでいた。艦首がどんどん持ち上がり、見上げれば空がやけに青く見える。この世の終わりのような光景なのに、今日の空はこんなにも美しいのか。


 だが、もはや勝敗は決したも同然……そんな絶望感が胸を蝕んでいく。


 (こんなにも多くの仲間を失ってまで、俺たちは何を得ようというんだ……)


 ビスマルク海はすでに黒煙と爆炎に包まれ、守るべき船団は全滅、後戻りはできない。まさに地獄の只中――それが今この海の姿だった。


 やがて駆逐艦「白雪」も、艦首を空へ向けたままゆっくりと海中へ沈み始めた。俺は短艇へ移乗したものの、海面には多くの将兵が取り残されたままだ。必死に助けを呼ぶ声や艦の破片が、視界にちらつく。


 (白雪……)


 ふと、艦内の士官室に飾られていた水墨画を思い出した。


深山の岩に積もる白雪を花に見立てた和歌、


「白雪のところもわかず降りしけば 巌にも咲く花とこそ見れ」。


静かに、それでいて凛として咲く「白雪」。


俺たちの誇りだった艦が、いま南の海に沈んでいく――。



 午前9時5分。



 白雪は艦首を突き立てた状態で、最後にわずかなシルエットを残してから、ビスマルク海の深淵へと消えていった。


 「さらば……白雪……」


 俺たちは沈んだ艦に向かって敬礼を送った。

挿絵(By みてみん)

艦首を空へ向けて沈む白雪の姿を見た俺の目から涙が一粒零れ落ちた。


白雪は間違いなく、最後まで立派に戦い抜いたのだ。


同時に、胸の中で静かに誓う。「必ず帰ろう、そしてまた来よう」と。


木村司令官の言葉通りに。


 しかし戦闘はまだ続いていた。ほどなく連合軍機が再び戻り、浮かんでいる短艇を低空飛行で機銃掃射してきた。


 「伏せろ! 頭を下げろ!!!」


 そう警告を発した瞬間、俺の胸と左肩が何かに撃ち抜かれた。まるで灼熱の槍で貫かれたような激痛が走り、視界が真っ赤に染まる。意識が一気に遠のいていく。


 「艦長!!」


 誰かが叫んでいるのが、かすかに聞こえた。

 

 だが、もう何もできない。

 白雪を失い、あれほど多くの仲間を死なせてしまった罪悪感が、最後まで俺の心を締めつけていた。

 

 それでも最期に、生き残った部下たちに向けて、祈るように言葉を絞り出した。


 「……すまん……皆……生き延びてくれ……」


 そこで俺の意識は闇に呑まれ、体は容赦なく海へと投げ出された。

 

 波の冷たさが、一瞬だけ焼けるような痛みを和らげた気がした。


 やがて荒れ狂う海が、激戦の痕跡を洗い流すように波を打ち、俺の身体も深みへと沈んでいった。

 死の淵で、俺は考えた。

波の冷たさが、一瞬だけ焼けるような痛みを和らげた気がした。


沈みゆく意識の中で、不思議なことに故郷の桜並木が浮かんだ。幼い頃、母に手を引かれて歩いた道。海軍兵学校で学んだ日々。そして、あの優しい微笑みを浮かべた女性の顔。


(もし、生まれ変わることができるなら…今度は戦場ではなく、平和な世界で…)


やがて荒れ狂う海が、激戦の痕跡を洗い流すように波を打ち、俺の身体も深みへと沈んでいった。

死の淵で、俺は考えた。


(これで終わりか……? いや、俺はまだやるべきことが……)


ふと、眩いほどの光が闇の中に広がり、まるで誰かが手を差し伸べるような感覚に包まれた。


「白雪…お前も…一緒に…」


艦を擬人化して呼びかける言葉が、最後の意識として残った。


その思いが、暗闇の中で消えていった…かに見えた。

だが、芦名定道の物語は、ここで終わりではなかった。


まったく別の世界で、新たな戦いが始まろうとしていたのだから。

そして、彼の強い意志と執着が、思いもよらぬ形で実を結ぶことになる。


「艦長の最期、そして始まり」


読んでいただき、ありがとうございます。


駆逐艦「白雪」の沈没と芦名少佐の死、そして……次なる世界への旅立ち。


ビスマルク海海戦は、実際に1943年3月に起きた海戦です。連合軍の航空機による新戦術「反跳爆撃」が初めて使用され、日本海軍に大打撃を与えた歴史的戦闘でした。


木村少将や艦長としての責任感、部下への思いやりなど、芦名少佐のキャラクターを通して当時の軍人の生き様を描いてみました。


死の瞬間でさえ「生き延びてくれ」と仲間を案じる芦名。この男がこれから異世界でどんな冒険を繰り広げるのか……。


重たい内容になりましたが、これから異世界での新たな冒険が始まります。昭和の海軍少佐と令和の女子高生がどのような冒険を繰り広げるのか──次回からは本格的に異世界へと足を踏み入れていきます。


次回、第3話「大雪の朝、私は洞窟で目を覚ました」では、現代の女子高生・陽菜視点での異世界編へ!


「令和の感性×昭和の軍人」という異色コンビの物語、ぜひお楽しみに!


※史実考証にはできる限り配慮していますが、フィクションとしてお楽しみください。

※感想、ご意見いただけると励みになります!


ここからは解説です。


木村昌福少将について紹介させてください。


木村昌福(きむら まさとみ、1891年12月6日 - 1960年2月14日)は、日本の海軍軍人で、最終階級は海軍中将です。静岡県静岡市生まれで、太平洋戦争中、重巡洋艦「鈴谷」艦長、第3水雷戦隊司令官、第1水雷戦隊司令官などを歴任し、数々の作戦で指揮を執りました。


本作でのビスマルク海海戦では、重傷を負いますが、何とか生き延び、横須賀に帰還します。


なので、第3水雷戦隊司令官として指揮を執ったのは1か月も満たずに、病院送りとなってしまいました。


回復後、第一水雷戦隊司令官が病のため職を離れたため、後任として、今度は当時の日本の北の端、幌筵島に転任します。


とくに有名なのは、1943年7月、第一水雷戦隊司令官として臨んだキスカ島撤退作戦です。


この作戦では、濃霧を利用してアメリカ軍に察知されることなく、キスカ島の守備隊約5,200名を無傷で撤収させ、「奇跡の作戦」と称賛されました。


また、1944年のレイテ島への挺身輸送作戦「多号作戦」や、ミンドロ島への突入作戦「礼号作戦」でも成功を収め、帝国海軍の水上作戦における最後の勝利に貢献しました。


優れているのは作戦指導だけではなく、人柄にも優れていました。


特に、部下への深い配慮は特筆すべきで、「鉄拳制裁は絶対禁止」「一度言って分からないときは二度でも三度でも言う」と述べ、忍耐強く指導する姿勢を示していました。


彼の人柄を象徴するエピソードとして、キスカ島撤退作戦中、「帰ろう。帰れば、また来られるからな」という言葉は有名です。


人命第一で、情に流されず、的確な判断ができる指揮官として、部下から厚い信頼を寄せられ、理想的な上司として評価されています。


また、忠実での白雪艦長は菅原六郎少佐です。

この方もこの海戦を生き延び、終戦を迎えています。


どんな人物かまではわからなかったのですが、名簿を見ると、福島県出身とのことで、どこかご縁を感じてしまいます。


お読みいただき、誠にありがとうございます!


皆さんの応援が私の創作の原動力となっています。


少しでも楽しんでいただけたなら、ブックマークや感想、評価ポイントなどをいただけると大変嬉しいです。


「良かった」「このキャラクターの言動が印象的だった」など、ほんの一言でも構いません。


読者の皆さんの声を聞くことで、より良い物語を紡いでいけると思っています。

よろしくお願いいたします。

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