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第5話 秘密
まあ普通に考えて成績とか備考を書いてるんだろうか。
本一冊はやりすぎな気はするが。
あと昔の人の分もとつ取っておいてるのは気になるけど。
と思い、本を開く。
まず最初のページには名前や誕生日などの基礎データが載っていた。
納得しかけたものの、それはおかしい。
なぜなら俺は親に売られたのだから。
本名を知ってる程度ならまだしも、親しか知らないはずの誕生日をなぜ”先生”が知っているのか。
と、そこまで考えたところでコツコツ、と音がなり咄嗟に本棚の陰に隠れる。
足音はこちらには近づいてこないようで一旦陰に隠れた状態を保つ。
ちらりと覗くと近づいてきているのは”先生”だと気づいた。
なぜここに?というのと、この本はなんなのか、という疑問が湧き上がる。