フィクション無き世界
本作はフィクションです……が未来においては定かではない。
この世界から創作と言う概念が失われた。
スマートフォンの普及に伴うインターネットの急速な普及は、検閲および規制を求める声の大きい一握りの人々の手により、あらゆる芸術は検閲、規制され、やがて創作と言う概念は死に絶えた……。
彼らの声によって世界は楽園となったのだろうか。
私は街を歩いた。
人々からは笑顔が失われていた。
大人だけでなく子供からも笑顔は失われていた。
文化の死だ。
かつての芸術も検閲および規制を求める声の大きい一握りの人々の手により全て消された。
児童向けの文学やアニメですらも検閲、規制の対象となった。
彼らにとっては理想の世界になったのだろう。
だが笑顔が失われた世界は果たして健全だと言えるのだろうか?
私は世界に絶望した。
年々あらゆる表現に対して検閲や規制を求める声の大きい一握りの人々に関する情報を目にすることが増えてきたと実感する。
ここ数年だとポリティカル・コレクトネスを声高らかに訴える人々が出始めたり、
最近では成人向け漫画の規制を大幅に強める動き(電子書籍では白抜き以上の規制をしないと駄目になった)のニュースを目にした。
これらはやがて無害な物にも飛び火して、果てに待つのは健全なのだろうか?
未来は暗いな。