8/そして義賊へ
「義賊、ですか」
「そうそう義賊。あの悪者からだけ物を盗む存在だねー。カイトくんの考えを見てみたらねー。何も悪い事をしてない人や、今お金が無くなったら死んでしまうような人が不幸になるのは嫌みたいでねー。でも盗み自体を否定する気持ちはないみたい。だからー、お金を持っている悪人から物を盗む義賊にならない?」
なるほど、確かにそれなら俺は嫌だと思わない。
恐るべし「商談」の能力。俺自身が気づいていない答えに辿り着くとは。
だが一つ問題がある。俺は悪人なんてどこにいるか全くどこにいるか分からない。大体俺が悪人を知っているとしたら警備兵に捕まった人間しか知らないし。
「あ、そこも大丈夫だよー。なんと闇社会の仲間に、情報屋っていう存在がいるからねー。いつも通りなら、明日ここに来るよー。」
「え?本当ですか?」
「ランセニュのことだな。私も何回か世話になってる。」
どうやらシュピィも知っているようだ。
「あ、そうそう、宿に困ってるみたいだしー、今日からちょっとの間なら、うちに泊めてあげるよー。」
あれ、宿に困ってるなんて話したっけ。
「あー、ごめんねー。「商談」切ってなかったよー。」
そう言ってマルシャは1度目を瞑り、能力を切る。
どうやら「商談」の力でほとんど心を読まれていたみたいだ。今までもこの能力を持っている人と話したことはあったが、ここまで心を読んでくる人は初めてだ。
「あ、あの、ありがとうございます。」
だいぶ時間差での返答になってしまったが、泊めてくれることに感謝をする。
「私もいいのか?」
「もちろんだよー。というかシュピちゃんも、言ってくれればいつでも泊めちゃうよー。」
「ありがとな!マルシャ。」
これで宿問題も解決した。
この調子なら安心して過ごすことができそうだ。
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