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28/幻狼族


幻狼族の生き残りというのは実に有名だ。俺が冒険者ギルドにいた時代にも何度も依頼に上がっていた。


『幻狼族の最後の1匹、ライトを討伐してくれ』と。


幻狼族というのは簡単に言うと大きな二足歩行の狼のことだ。この種族は特殊なスキル、“幻”を持っており、その能力で人に幻を見せていたと言われている。


そしてそのことに危機感を覚えた国の王と冒険者ギルドによって大規模な討伐部隊が作られ、絶滅させられたのだ。


たった1匹を除いて。


それがライトだ。そしてそのライトが、人を殺す存在として、様々な森に現れている。


「.....ライトか」


俺がそう言うとランセニュは頷く。


「あぁ〜そうだ。ライトのことだ。だが、ライトと戦って殺す必要は全くない。俺たちが狙うのは、こいつが手に入れた宝石の方だ」


「宝石?」


シュピィが首を傾げる。


「なんでもこいつが人を殺した後に、そいつが持っていたモンを取っていくらしい。そしてその取っていったモンの中に、なんでも宝石の類が多くあるらしくてな」


「その宝石の場所は分かるのか?」


「あぁ。もちろん調べてあるぜ。例の幻狼族討伐が起きた場所のど真ん中に、どうやらライトが大胆にも住んでるらしい」


討伐が起きた場所。つまり元々幻狼族が住んでいた場所か。


「幻狼族の森の跡地か」


たしかあそこは討伐の影響で岩や木が倒れ、森とは言えないような場所になっているはずだ。そこに住んでいるとは中々信じ難い。


だが、ランセニュの情報が正しいのは身をもって知っているので、おそらく今回も正しいのだろう。


「そ〜いうことだ。そこに行って、宝石を取ってきてくれ。万が一ライト本人に会うことになったら.......まぁ〜、分かると思うが命の保証はできない」


「それはそうだよな.....」


俺がそう呟くと、シュピィが言う。


「ま、闇の仕事なんてそんなもんだろ」


「だねー。まー、本人に会わなければ、結構楽な仕事だから、やってもいいんじゃないー?」


マルシャにそう言われ、俺も考える。


俺たちには隠密があるし、五感が鋭いため、もし本人がいたとしたら先に気づくことができるだろう。


相手は人を殺す悪魔のような存在だし、悪からしか盗まないという俺たちの義賊のスタイルにも合っている。



「......準備しよう。その仕事に行くぞ」




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