表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/32

24/最初の仕事の終わり

「シュピィ!!!」


そこで俺が合図をシュピィに送る。


「ああ、“透視”!!!!」


合図を受け取ったシュピィが3回目の今日最後の透視を使う。そしてその目で見るのは、隠し扉の開閉のカラクリ。


隠し扉の本棚の動きを制御する歯車、そしてそれが繋がっている先、隠し扉を開けるための物。それは。


「あれだ!」


そう言ってシュピィが短剣を投げる。


その短剣は、隠し扉を前だとすると左側の壁にある人と竜の銅像にあたり、その竜の首の向きを変える。


そして「ゴオオオオオ」という音とともに、隠し扉の本棚が左右から閉じるように動き始める。


「アナタ方はぁ!!!」


その瞬間、扉の奥の階段まで弾き飛ばしたリッシュが立ち上がった。

リッシュがその怒りだけで全身を動かし、獣のような勢いで俺たちの方へ向かってくる。


しかし、


「じゃあなリッシュ。お前が隠してた悪事と、お前の持っている物、全部盗ませてもらう」


俺が隠密を解除して放った言葉とともに、隠し扉は完全に閉じた。



ー閉じる寸前で、その奥のリッシュの表情が怒りから絶望に変わるのを俺は見たのだった。










「......なんとかなったな」


隠し扉が閉じ、少し静寂が訪れたあと、俺が口を開いて言った。


「ふぅー、さすがに疲れたな。今回は」


シュピィが安堵のため息をつき、煙幕を解除する。

そうすると、フェールが視界をやっと取り戻し、俺とシュピィの方を見た。


「あの、ありがとうございます」


俺はそれに笑みで返し、食堂へ繋がる扉の前に立つ。


「あとはこの扉の魔法が解ければだけど.....」


「やってみても....いい....かな?」


そう言ったのはフェールだった。


「フェアリーは、スキルが開花してなくても......魔法関係はずっと触れてきてるから.........時間をかければ......解除だけならできる.....かも」


「本当か!じゃあ、頼む!」


そうして、フェールが魔法がかかった扉に手をかざした。そうするとフェールの周りが光りはじめる。


それをぼーっと見ていると、シュピィに肩を叩かれる。


「フェールが解いている間に、ここら辺の盗めそうな物取っておくぞ」


「ああ、そうだな」


そして、俺とシュピィはリビングにある物を簡単に見ていく。


銅像や机、一般人にはよくわからないような置物など、高そうなものばかりだ。


「持っていくなら置物とかだな。それと、その聖剣」


シュピィが指差したのは俺が右手に持っている赤い聖剣。


「......これ売れるのか?なんか色々と問題になりそうなんだが」


「そこは情報屋のランセニュがなんとかしてくれるはずだ!」


「.....大丈夫かな」


だがこれが一番お金になりそうなのは事実。とりあえず持って帰ってみて、まずそうだったら最悪返しに来よう。うん、そうしよう。



「よし!これくらいあれば私とニーちゃんとランセニュで分けても十分くらいのお金になるだろ」


そう言ってシュピィが多くの物を腕に抱える。


「それ、どうやって持って帰るんだ?ここからマルシャさんのバーまで結構あるけど.....」


俺がそう聞くと、シュピィはポケットから布を取り出す。


「まあ見てなって。」


するシュピィはその布で物を包んだ。


「“偽装”」


するとその布でくるんだ物全てが透明になる。


「これでそのまま手で持っていくってことだ。」


「なるほど....」


さすがは今までも盗んでたシュピィだ。そういう知恵もあるのか。


「あ、開きました!」


と、フェールの声がした。


「よし。じゃあ帰るか」


「そうだな」


シュピィと笑い合い、俺たちは扉へ向かった。



=================================================================================================


面白いと思っていただけたら、評価、ブックマークお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ