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20/考えすぎ

なぜ見られている!?


俺たちは確かに隠密を使っており、それを肌で感じている。


それなのになぜ?


そう考えていると、リッシュがこっちを向いたまま言ってくる。


「.....3人、ですかね。どうせ、魔族スキルか何かで姿を隠しているのでしょうね。残念ですけど、完璧な私の屋敷の中では、あの地下以外は空気や魔力の流れすら完璧にしている。その歪みを見つければ、あなた達の場所なんて、簡単にわかるのですよ」


まずい、まずすぎる。隠密に頼りすぎてしまった。


リッシュは歩き、リビングに飾られていたやけに装飾が施された赤い剣を手に持つ。


「この剣は、元は私のものではなかったとはいえ、聖剣なのですよ。まあ、本来の力は発揮できませんけど、あなた達のような野良猫の首を簡単に狩ることならできます」


「なっ!」


聖剣、それは選ばれた貴族の騎士達が持つと言われるこの世界最強の剣。それはこの世界に何本かあり、いずれも貴族が管理しているそうだ。


だが、リッシュは元は私のものではないと言った。


聖剣というものは、選ばれた者が持つ時、真の力を発揮すると言われている。


つまり、リッシュは真の力を発揮することはできない。


だがそれでも、魔力がこもっていない剣の中では最強の力がある。


正直、一回でも斬られたら終わりだ。


これは本当にまずい。


魔法で鍵のかけられた部屋、隠密の効かない空間、そして一回でも受ければ死んでしまうような聖剣。このままだと何もできずに終わる。


どうすれば、どうすればいいんだ。



「ニーちゃん!」


シュピィの声がして思考が現実に戻る。


「ニーちゃん考え込みすぎだ!周りを見ろ!」


その言葉でハッとする。


そうだ。考えるだけじゃダメだ。


落ち着け、落ち着くんだ俺。


目の前では聖剣を構えるリッシュが、不敵な笑みを浮かべながらこっちにゆっくり近づいて来ている。


おそらく勝ちを確信している。だからこそ今すぐ距離を詰めてこないのだろう。


こっちは隠密を解いていない状態で俺とシュピィとフェールが角に集まっている。


その周りは銅像と机とソファ。そして隠し扉。


「.....とりあえず動くぞ。このままだと俺たちは全員斬られて終わりだ。動きながら手を考える」


「そうだな」


「は....はい!」


2人が応えたのに合わせ、俺が動こうとする。すると、シュピィが俺の前に立ち、スキルを発動する。


「その場しのぎにしかならないかもだけど......”煙幕“!!!」


シュピィの能力で、あたりが白い煙に覆われる。


「フェール!俺の手を掴んでくれ!シュピィは反対に走ってくれ!」


そう言うと、フェールが俺の手を掴む。


「“瞬発“」




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