10・前/助言
お皿を洗いながら、情報屋のランセニュからどうにかして情報を手に入れる方法を考える。
「後払い.....とかは。」
つまり情報を先にもらい、義賊として動いた後にお金を払うことだ。
これなら対価を払うと言う点ではまだ良い方であるだろう。しかし、もし義賊としての仕事に失敗した場合、お金を払うことができないまま情報だけとったことになってしまうので、向こうが承諾してくれるとは思えない。
「やっぱダメだよな......。」
「考えてるみたいだねー。」
不意に横からマルシャが話しかけてくる。
「マルシャさん....。」
「はいはい、マルシャだよー。」
そう言うと、マルシャは顔の前に人差し指を立てる。
「あんまり私が助言するとー、ランセニュさん怒るだろうから、一つだけ教えてあげるよ。」
「ランセニュさんは君たちと似た考えを持っている。しかも、君たちよりも強く。」
「......なるほど。」
似た考え、それが情報を手に入れる鍵になるのか。
「ま、頑張ってねー。私は見守ってるからー。」
「ありがとうございます。」
俺たち、つまり俺とシュピィに共通している考え、それをランセニュも持っている。
それはなんだ?
何かヒントはないのか.......
『私だって、盗みをして悪いなって思う時は今まで何回もあったからな!』
『ここに来てる人はみんな悪をしなきゃ生きられないからやってることくらい知ってるじゃないですかー。』
「もしかしてあの時......」
一つ、可能性が見えたかもしれない。
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