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9/情報屋

「ほぉ〜ん。な〜るほど。悪人の情報を教えて欲しいって言うのかぁ。」


あれから丸一日。俺は情報屋のランセニュという人に話をしに来た。


あの後、泊めてもらったお礼に、バーの手伝いを1日した。


手伝いをして分かったのだが、このバーに来る闇社会の人間は割といるようだ。


そしてその人たちはこのバーの中ではとても楽に話していた。


なんというか、このバーは闇社会の人の共同の家のような、そんな雰囲気だった。


そしてそこに夜になって訪れて来たのが、この情報屋、ランセニュ。クルクルとなった茶色の髪の毛と、少しボロくなったコートが目印だと言われていたのですぐに分かった。


「わり〜んだが、捕まってない悪人を教えるってことはな、弱味を教えるっちゅ〜ことになる。弱味っていうのはうまく使えば、人を簡単に操ることができるんだ。高くつくぜ〜。」


「やっぱそうなりますよね.....。」


なんとなくは分かっていたが、やはり悪人の情報は値段が高いらしい。


「でもそこをこう、なんとか.....。」


「ならね〜よっ。大体、このバーに来てるやつは全員悪人って言ってもいいもんだ。もちろん俺もな。そんなにやりたきゃこのバーの奴らにやりな。」


そう言ってランセニュは俺から目線をそらし、横を向く。


「ランセニュさんだってー、ここに来てる人はみんな悪をしなきゃ生きられないからやってることくらい知ってるじゃないですかー。」


話に入って来たのはマルシャだ。


「おいおいマルシャさん、仕事の話の時は話に入ってこない約束だろぅ?マルシャさんと話してたら全部上手くのせられちまうからな。仕事にならねぇ。」


「お客を守るためならしょうがないじゃないですかー。」


マルシャの言葉を聞くと、ランセニュは手を横に振る。


「とにかくダメだダメ。俺だって情報屋として生きてんだから。それとアンタ、そんなに悪人の情報が欲しいなら、それ相応の対価がないと俺は動かねぇからな。」


そう言ってランセニュは持っていたお酒を一気に飲み、バーから出て行く。


「ごちそうさん。美味かったよ。あ、アンタはど〜しても悪人の情報がほしいなら、次また俺が来るまでに報酬用意しとけよ?じゃあな。」



「はい......。」


困ったことになった。悪人からのみお金を盗む義賊になろうと決心したのに、悪人の情報にお金がかかるなら動くことができない。



「うーん....どうすれば........。」


「ホントだな!このままじゃ動けないぞ。」


「うお!ビックリした。いたのか。」


急にシュピィに話しかけられて驚く。


「いたのかとは酷いな!ニーちゃんは考え事してると周りに意識が向かなくなるのか?」


そう言いながらハンバーグを頬張っている。


今日もハンバーグか。てかその飯代はどっから出て来てるんだ....?


昨日はおっさんから貰った金貨で代金を払ったが今日の分は俺も持っていない。


まさか盗み食いか?


「ニーちゃん、なんか酷いこと考えてないか?」


「いや全然。その飯代はどっから来たのかと思ってな。」


「これか?これはマルシャにツケにしてもらったぞ。というかニーちゃんの朝と昼のご飯もそうだっただろ。」


そういえばそうだった。その流れなら夜もツケになって当たり前か。



「そういやニーちゃん。言い忘れてたけど、私も一緒に義賊やるからな!」


「え?本当か!?」


なんてありがたい話だ。正直にいうと、一人で義賊なんてできるのかと思っていた所だ。


「本当も本当だ!私だって、盗みをして悪いなって思う時は今まで何回もあったからな!それに、ニーちゃん一人じゃ心配だしな。」


「ありがとうシュピィ。」



ここで、義賊としての仲間が一人増えた。


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