目の異物(ノンフィクション)
今回は三題噺ではなく、実話を文字に起こしてみました。
以前怖いというか不快な体験をしたことがあります。
その夜、私はいつものようにお風呂に入って、頭を洗っていました。
すると、だんだん右目がごろごろするような異物感に苛まれ始めました。
これは抜けたまつ毛が目に入ったパターンかなと思い、大きく目を見開いて鏡で確認してみたり、こすってみたりしましたが、異物は発見出来ずじまいでした。
いじりすぎたせいで目が腫れて余計に違和感があるだけかもしれないと自分を納得させて、一旦原因探し
を中断しました。
しかし、お風呂から上がってもまだ異物感が拭えないので、再び鏡の前でどうにか原因を探ろうと目を腫らしながら確認をしました。
しばらく目をぱちくりして捜索していると、眼球の右上部、まぶたを手で吊り上げ白目をむいてようやく見えるような場所に黒いなにかが突き出しているのを見つけました。
私はこれが異物感の原因に違いないと思い、それを引っ張り出すべく人差し指と中指の二指を伸ばして苦心しながらもそれをつまむことに成功しました。
そして、それを離さないようにゆっくりと引っ張り出していくと、にゅるにゅるという感じで目の奥からだんだん長細いものが出てきたのです。
取り出している最中、眼球と眼窩の間で長細いものがこすれてこそばゆい感覚がありました。
取り出し終えて観察してみると、長細いものには所々なにかよく分からないぷるぷるとしたゼリー状のものが付着していました。
そして、長細いものの正体が一本の髪の毛だったことにも気が付きました。
恐らく、頭を洗う際にうまい具合に瞼に巻き込まれて眼球の裏側まで入ってしまったのだと思います。
もしかしたら気が付かないうちに、人間の眼球の裏側には色々なものが入り込んで溜まっているのかもしれませんね。