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【正史】2-6 太陽と月は大地を想う

 ifまじりの正史になってしまいました。最後はルーナの回想になり、本編につながるかなと。

 過去編は一応こちらで最後になります。ルーナのifルート開始まで少し日にちが空きますので、それまではまた完結済に設定しておきます。

 投稿できそうだったら、ソルとティエラの後日談2を入れますが、果たして需要があるのか?



 ソルは目を覚ました。

 空は瑠璃色に染まりかけていた。

 いつの間にか眠っていたようだ。

 悪夢がなかったのは、本当に久しぶりだった。


 必死に身を委ねてくる彼女に、自身を止めることが出来なかった。


 隣で眠るティエラ。

 彼女の長い亜麻色の髪を撫でる。

 一糸纏わぬ姿の彼女の胸が、規則正しく動いている。

 一緒にいてくれた彼女を見る。ソルの瞳からは、また涙が流れた。


 叔父のヘリオスは、現国王と大公の妹であるシルワを拐った罪で殺されている。

 自分は、王族唯一の少女を手篭めにしたことを、罪に問われるのだろうか。


 自分たちがどうなるのか分からないまま結ばれてしまった。


 後先など何も考えていなかった。


 朝方、ティエラの部屋に彼女がいないとなると騒ぎになるだろう。


 ひとまず将来のことは何も考えないまま、ソルは彼女を起こすことにした。





※※※




 自身の婚約者である姫の、身に纏う雰囲気が変わった。


 ソルに応える彼女の仕種が。


 かける言葉が。


 向ける眼差しが。


 あれだけ粗雑だったソルの行動も、以前よりもだいぶ柔らかいものに変わっている。



 ルーナは、婚約者のティエラの変化に関しては敏感になっていた。



 そして、彼女は自分のことを次第に避けるようになってしまった。




 最初は、彼女のことなど心底どうでも良かった。



 いや、むしろ何も知らずに、無垢なまま過ごす彼女を嫌ってさえいた。



 だけれど、彼の過去を知っても受け入れてくれた彼女を護りたいと思うようになった。



 自分を救ってくれた彼女が十七で死ぬかもしれないと聞いた時。



 彼女が生きてさえいてくれればと、そう思っていた。


 そのためならば命を捨てても、彼女に憎まれようともそれで構わないと。



 でもいつの間にか、彼女が自分に愛情を向けてくれたらと、そう願うようになってしまった。



 だけど、もうその願いも叶いそうにない。



 もし、竜を殺して、彼女を救うことが出来たならば――。



 全て終わったら、消えてしまおう。


 自分は、彼女の幸せの邪魔にしかなれやしないのだから。





 でも。



 もしも、叶うのならば――。

 




 たった一度でいい。





 彼女に自分を。




 自分だけを愛してほしい。







 ここまでお読みくださって誠にありがとうございます。

 前書きにも書きましたが、3/29(日)よりルーナのifルート(月華・玉の章)を開始予定です。

 それまでは完結済設定にしておきます。

 もしよろしければ、ブクマ・☆評価等してくだされば、作者の励みになります。

 

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