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第114.5話 付き人からみた月の考察

番外に近い内容です(>_<)

ルーナのイメージが壊れそうな人は避けてください……アルクダとグレーテルが言ってる事なので……




 ネロが去った後、残った四人でこれからどうするか考え始めた頃。



「あ、アルクダさん、またどこに行ってたんですか? ネロ様がいらしてたんですよ~~」


 グレーテルは、ティエラ・ソル・セリニの三人から離れ、物陰から現れたアルクダに気付いて近寄った。


「すみません。ちょっと用事がありまして」


 アルクダは申し訳なさそうに言う。

 グレーテルは、彼に声をかけこそこそと話し始める。


「ルーナ様が、『麗しい』だの『可愛らしい』だの、『今日も貴女は愛くるしい』だの、姫様に仰るじゃないですか~~?」


 「はい」と、アルクダが返す。


「『姫様の事を考えていたら、夜も眠れませんでした』とか……。ああ、『貴女さえいれば、私はどんな責苦にも耐えられます』って、何かの答申会前に言ってましたね~~」


「それが~~。姫様は、ルーナ様が他の女性にも言ってるものだと思ってたみたいなんですよ~~。ネロ様みたいに」


「え?」


 アルクダも、ソル達三人と同じような反応になっている。しばし固まった。少し経ってから、彼は口を開いた。


「まあ、来るもの拒まずのルーナ様にも、問題があるというか……。自業自得と言いますか~~。正直、僕、ルーナ様も苦手というか……」


 ルーナは周囲から見て、本心で話しているのかどうか分からないのも確かだ。


「私もです~~。まあ、ネロ様は誰にでもがんがん行くし、あげく女性に相手してもらえないことが多いでしょ~~」


 アルクダが、「二人は全然違いますね」と同意した。


「その点、ソル様は一途ですよね~~。告白や女性からの誘いも全て断ってますし~~。一応仕えてるので誉めておきます~~」


 グレーテルは、念のためにソルを褒めた。

 アルクダもその点は同意だと伝えた。


「そういえば、ルーナ様はいつからティエラ様にあんな態度なんですかね? なんか僕が初めて会った時にはあんなでしたけど」


 あんな態度とは、もちろん口説き文句の数々である。

 ルーナに出会ったのは、グレーテルの方がアルクダよりも早い。

 アルクダがティエラに会ったのは、彼女が十代以降だ。これまであまり気にも止めていなかったが、グレーテルに尋ねてみた。


「私が、初めて姫様にお会いした時には、ルーナ様はもうあんな感じでしたよ~~」


 グレーテルはにっこりと笑った。

 それを聞いたアルクダは「え?」と、また固まった。


「グレーテルさんが、初めて姫様達と会った頃って……。姫様、十にも満たなかったんじゃ……?」


 「はい、そうですよ~~」とグレーテルが答える。

 アルクダは、それはそれで驚いてしまう。


(体裁のため……? それとも……? ルーナ様はその頃は成人……)


 アルクダは、十年前、遠目からルーナとティエラを観ていた頃の事を思い出した。


(あの頃から、姫様を横抱きにして連れていくのは何度か観ていたけど……)


 何を話していたかまでは知らなかった。


 当時のアルクダは、ルーナはティエラに対して、主従愛が深いのか、妹のように思っているのだろうと勝手に考えていたのだが……。


 ルーナが怖いので、アルクダはそれ以上考えることを放棄した。




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