第3話
「おい!いいかげんにしろよ!」
階段の踊り場で、突如そんな声だ聞こえた。2、3人の派手な男子が見るからに弱そうな男子をいじめてるようだ。よく見たら、同じクラスじゃない。別のクラスにもいるのか、あんなやつ。
「何生意気言ってんだよ!」
凛「見苦しいですよ。」
「あ?」
よく見たら先輩じゃん。後輩いじめるとか最低。
「最近の後輩は生意気すぎて困るよ。先輩をなめたら痛い目あうよ。」
これが先輩のセリフか。
凛「弱い者いじめはいけませんよ?」
「聞こえなかったのかな?いくら女だからって、容赦しないよ。」
まさか女に手だすつもり?まあいいわよ。
「なめているのは先輩の方ですよ。」
*こだかside
「さっき踊り場で、女の子が先輩に絡まれてたよね。」
「見た見た!転校してきた子でしょう?でも、あのクラスだし大丈夫なんじゃない。」
・・・町田!
先輩って、まさか松尾先輩じゃないだろうな。あの先輩は男女関係なく暴力を振るうことで、一番関わりたくない先輩だ。
あそこかっ!
踊り場の近くは、野次馬でいっぱいだった。
「ボコボコだ・・・」
クソっ!遅かったか。
しかし、想像していたものとは裏腹に、松尾先輩とその他の先輩たちは、ピクリとも動かず床に倒れこんでいた。
「すごかったよな!さっきの回し蹴り。見事に決まってたぜ!」
「あの松尾先輩を女子一人で倒すなんて!」
周りの声はうるさかったが、俺は聞き取った。町田が放った一言を。
凛「・・・クズが。」