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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

最終決戦で新たな能力に覚醒した俊

作者: 霧雨之紅煉
掲載日:2018/04/01

「全く、ここまで来るのにどれだけの犠牲を払ったのですか」


JACKは不敵な笑みをうかべながら台座を降り、明と俊の方へと数歩近づいた。


「あなた達は自分が行おうとしている事を理解しているのですか?」

「そいつはテメェらだってそぅだろうが!現実世界を破壊するだと、ふざけんな!」


JACKの問いかけに対して俊は怒りを顕にした。


「そぅだよ、君たちだって自分がしている事が分かっているのかい?人類が滅ぶんだよ?どうしてそんな残酷な事を簡単に行おうとするんだ!」

「はぁ、全く…この期に及んでまだそぅいいますか」


JACKは、呆れたように語り始めた。


「我々の様に選ばれた人間だけが生きればいいんですよ、あなた達の様な凡人みたいに単純な考え方しか出来ない人間は邪魔なんです」


JACKは、明たちを強い眼差しで睨みつけ更に心に圧迫をかける。


「だいたい、待っていなくても滅ぶんですよ?遅いか早いか、それだけですよ」

「それは違う!」


明は、大声を出してJACKの意見を否定した。


「僕ら人間は強くなっている!僕らのように能力を持っていなくても、知恵を得て、技術を得て、日々進化しているんだ!」

「明…」


俊は、尚も続ける明を見つめた。


「僕達だけが選ばれたんじゃない!誰だって何かの能力は持っているんだ!」

「はぁ…全くどこまで幼稚なのか」


JACKは頭を抱え、言い放つ。


「ならば教えてくれませんか?私たちのように人体実験を受けた者達にも何かの意味があるんですか?暗い部屋に閉じ込められ、何の薬かも分からないものを投与され、何度もこちらの世界に送り込まれた私たちに」


そして目を見開き、強い力と怒りをぶつける。


「意味があるのか教えてみろ!行け、ベルゼブブ!」


羽と角を生やし、貴族の格好をした能力が明たちに襲いかかる。


「イザナギ!」


明達の目の前に黒装束を着て、仮面を被った男が刀を構え護りの体制に映る。


ガギィィン!!


「目障りなんですよ、あなた達…ここでチリも残さずに消し去ります」


JACKは、獲物である小刀を取り出し逆手に構える。


「明、始めっから本気で良いよな?」

「俊、本気出さないと上手く闘えないと思う」


俊は、悪魔の眼に力を込めて腕に鉤爪を、腰から尾を生やし、獲物の刀を左手で逆手に持ちリストバンドを構える。

明も、獲物の刀と銃を構える。


ベルゼブブの拳とイザナギの刀がぶつかり合い、火花を散らす中でもぅ一つの闘いが行われていた。


「フッ、ハハハハハハハハハ!その程度ですかあなた達の力は!」

「黙れ、クソ野郎」


俊は、尾を操り一気に攻め込む。

が、その攻撃は全てJACKの小刀によって塞がれてしまう。


「まだだ、まだ負けない」


そして、明が後方から間合いを詰めて一気に切り込む。


ガギィィン!!


金属音が大きく鳴り響き、またも塞がれたことに気づく。


「甘いんですよ、その程度じゃあ」

「なっ…!ウグッ!」


押さえつけられていた刀ごと体制を崩し、JACKはその瞬間を見逃さずに明の腹に蹴りを放つ。


「ガッ、あぁぁ!」


明の体は大きく後方に吹き飛び、柱に体を強く打ち付けた。

それと同時にイザナギも姿が消えてしまった。


「明!大丈夫か?明!」

「ゲホッゲホッ!」


明は、口から血を吐いていた。

体もボロボロで限界が近かった。


「待ってろ、明」

「俊?」

「俺が、決着を付ける」


俊は、手首に付けていたリストバンドから鎖を放ち、その容量で体を持ち上げる。


「オラァ!」

「なっ」


逆手に持った刀を床に突き立てる。


「くっ、危なか…!」

「逃がさねぇよ」


JACKの両足には既に新たな鎖が絡まっており、俊はすかさずそれを引き寄せる。


「くっ、ベルゼブブ!」

「させない!」


ベルゼブブが放った拳を俊は尾を絡めて攻撃を防ぐ。

JACKもまた、向かって来た刀を獲物で防ぐ。


「やるな、お前」

「あなただって、なかなかにやるじゃないですか」


お互いに防御を解除し、間合いをとる。


「ですが、もぅ私の勝ちです」

「なに?」


気づくと、右肩に小刀が刺さっていた。


(い、いつの間に…!)


「腕に、力が…」

「経穴を突きました、これであなたは機能しない」

「ぐぁっ!」


ベルゼブブに勢いよく殴り飛ばされ、明とは別の柱に叩きつけられる。


「俊…今、助け…」

「させません」

「ッ!」


俊を助けようとした明の目の前に、JACKが立ちはだかり、またも腹部を蹴り飛ばす。


「グハッ、ゲホッゲホゲホ!」

「こんなものじゃありませんよ、私達の痛みは」

「ウグッ、グゥッ!」


幾度となく腹を蹴られ続け、イザナギを出現させる気力も明は練られなかった。


「明…」


俊は、苦しむ明を見つめ眼に更に力を込めていた。


(嫌だ、明もエマも誠兄さんも誰も失いたくない、誰も殺させない、俺が抑止力になるんだ!)


その時、俊に新たな能力が力を授けた。


(我…はナンジ、汝はワレ…)

「誰だ?誰か居るのか?」


声が、俊の脳内に響き渡る。


(ワレ、は…なんジ、汝は、我)

「お前、まさか…!明達と同じ能力なのか?」


声は、だんだんと大きくなり近づいてくる。


(我は汝、汝は我)

「ここだ、俺はここにいる…頼む、力を貸してくれ!」


声の主は、その呼び掛けに応えるようにその姿を現した。


(我は汝、汝は我、我は汝の更なる能力「禍津イザナギ」なり)

「禍津、イザナギ?」


禍津イザナギは、白装束を纏い白の仮面を被った男の姿をしていた。


(作用、我は汝の「瞳」そして「心」より産まれし殺戮の抑止力、破壊と修復を兼ね備えた能力なり)

「壊すことを相殺させる訳かぃ…」


(そぅだ、我が主よお主の手でこの破壊を止めるんだ)

「それが、お前の力か…手ぇ貸してくれ立つからよぉ…」


俊は、禍津イザナギの手を借り、立ち上がった。


「しゅ…ん?なんだ、その力は…」

「まだ、油断をしますか?まぁ、もぅ良いです死になさい、さようなら…世界を救えなかった勇者さん」


JACKは、手に持っていた小刀を強く振り下ろした。


キィン!


軽い金属音と共に、紙一重で俊は明を守った。


「俊…その能力は…?」

「貴方、まさか能力覚醒したのか?!」


俊は、「ニッ」と笑って能力名を教える。


「禍津イザナギだ」


次の瞬間、俊はJACKの顔面を蹴り飛ばした。


「ッッッ!」

「お返しだ」


JACKは、寸でのところで小刀を床に突き立ててブレーキの代わりにしスピードを落とした。


「なんなのですか、その能力は」

「大切な人達を守る力だ」


俊は、再び眼に力を込めそして禍津イザナギを召喚する。


「俊、僕も闘う」

「明、最期まで闘うぞ」

「うん!」


明もまた、左眼に力を込めて2本の尾を生やした。


「最終決戦です」

「「決めてみせる!」」


JACKと明、そして俊は床を蹴って決着を付けんと言わんばかりに一直線に相手に向かっていった。

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