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新史、蛇の詩
とてもこころがいやらしく思えるのは
じぶんでじぶを嫌ってしまいそうな
ずるがしこいたちいふるまいをしたとき
わたしはいつからこんなに
こどものころなら大嫌いだった
卑怯なにんげんになってしまったのかと
なんどもなんどもじぶんのこころを見て
嘘みたいなげんじつにあきれはて
そしてかなしくなってくるのだ
あのころ蛇がこのましくて
ひとみなきらう容姿をうけいれ
ひとみなきらうものとして生きて
ただただおのれのまっすぐなきもちで
にょろにょろと蛇行しながらでもブレずに
きらわれることを一切おそれないで
生きてるもののすうこうさに
あおぎみあこがれ慕ったひとみに
みさげはてられる今のわたしだ
蛇はこうかつなんかじゃないんだ
蛇はぐどんといってさえいいんだ
蛇はすきできらわれてるんじゃないんだ
蛇はまっすぐをおりまげられないだけなんだ
そんな蛇がすきだったあのころの
美しいこころをもったわたしに
恥じないいまのわたしであれ
恥じないいまのわたしであれ
恥じないいまのわたしであれ




