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蛇座は、三等星が一番明るいという、暗めの星座だけれど



蛇の、妻になりたいのかもしれない

よく、わからない


もう世界には、

蛇はいっぴきもいないかもしれないからだ


悲しい呼び声を月のあかるい12時過ぎに

聴いたと思った


同棲していたオトコは、

あたしの過去を知ると、

ウナギのようにニョロニョロと

捕まえられないテクニックをみせつけ

じょうずに笑いながら、

消えてみせたのだった



この部屋の

壁紙に染みついた彼のぼやけた笑顔は

いまはもう、綺麗に忘れ去りたい

からまった愛情の残り香、

2度とほどけない


あたしのオンナの一部は

遠い春の日に刺し殺すように

静かにさせてしまったのである


そのときほんとうに好きな

蛇の顔を思い浮かべても

そういう必然など知らないといった

蛇など、遠くから眺めると綺麗にみえたけど、

いまの、悲しみの散らばっている世界には、

ほんものの蛇など、いなくなってしまった


むろん、まだどこかを探せば見つけられると

信じていたあの頃のこと、


あたしは、

蛇の、妻になりたいのかもしれないと思って、

でも、

探すすべを知るためには、

日々の暮らしの中、あたし自身が

蛇の呼ぶ声を聴く必要があった


蛇の、妻になりたいのかもしれない

よく、わからない


いるのなら、なりたいとは思うが、

いないのなら、なれはしないから


眺めると、

あたしの星は、人の目には見えない運命を

真っ正直に受け止めようとしているようで、

夜空に描かれた蛇座の三等星の星でも

そっと探しては、

蛇に対する憧れのような想いを

なんとか落ち着かせようとするのだった





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