43/180
蛇で間違えた
なぜこうもあやまってしまった?
あの子にかける言葉がダメで
いつも嫌われてしまっていた。
ほんとうはいい子だなと思っていた、
いつのまにかはなしをする仲に
なれていると思っていた。
小学生が好きな女の子をからかうように
あの子にきついこと言っていた。
ある女友だちから僕の友だち経由で
あのあと泣いていたよと聞かされた。
僕は馬鹿であの子はただの善人。
なぜ、
こんなに馬鹿で、
他人に嫌われ、
他人に不快な思いをさせてしまう僕が、
どこにも隔離されず
普通の暮らしができるんだろう?
蛇の眼がこわすぎて、
カラダごと、逃げ腰になってしまう。
だけど、考えてみれば、
蛇も可哀想なんだよね?
ただいるだけで、怖がられて。
そこだけはあの子も共感してくれていた。
けれどそれも愛想笑いだったのか?
わからないもうなにもわからなくなった。
他人のこころなんて馬鹿な僕にはわからない。
そして僕はしゃべることをやめてしまった。
そして僕は僕なんていない方がいいと思い、
そして僕は自分を世界から隔離しようとし、
そして僕は自分を殺してしまうこのまま、
───たったひとり、黙ったまま。




