荒野の蛇のプライド
呼ばわるものの、声がする。
雨も降らない、罪の荒野に、
悲しい夢を、出現させて、
憧れの人に、嫌われてでも、
その道で良いのか、おんな、と、
疾風吹き荒ぶ、荒野の砂漠の空から、
雷鳴轟くが如く、心を打ち据える、
ちいさなふたつの胸に、刻まれる
遮る壁のイメージの、
再考せよと問いただす、
呼ばわるもの、声がする。
果てなき道を、行く意志を、
心の底に囲い込み、
けっして開けてはならないと、
見直す事さえ、禁じてしまい、
ただひたすらに、三日月を追い、
ほとんど全ての、良識棄て去り、
傷つき、病いに、倒れ伏すとも、
一心不乱に、白き道ゆく、
果てなき道ゆく、1匹の蛇。
あたしのイメージって、
そうらしい。
孤独を背中に背負い込んで、
道なき道を歩いて行く、
友1人ない、頑固で、お馬鹿な、
生きることヘタ、痛々しいヤツ。
でも、その方たちはご存知ない。
あたしの、荒野の、砂漠の、真ん中、
誰もまだ見ぬ、優しい色の、
素敵な聖女が、お待ちになってる。
あたし、ただ、その人に逢うためなら、
どんな事だって、ヤル、よ?
そう、心の奥底の石の壁に、
刻み付けて、絶対ブレないこと、
それだけこのちいさなふたつの胸に
約束したのさ、あたしの最高に輝かしい、
それだけは絶対に切り崩せない、
命の価値さえ上回る、
たったひとつの、でも、眼には見えない、
吹きっ晒しの、プライドにかけて。
2度と手放さない、あたしの、プライド。




