メール返信はタイミング
二度目のお別れをして、あっけなくというか二度目だからか、1度目に別れをすませたせいか心情としては、何かが過ぎ去ったという思いだ。
何故かメールアドレスを交換すると言う、営業の付き合いをさせられ、疲労感が体に残っていると言うところだろうか。
「やっと帰りましたね」
「寂しいか、結構なつかれていたしな。案外いい関係を築けそうじゃないか」
「まさか、向こうだってきっと営業で言ってくれただけですよ、交換したメールアドレスだってそうです」
あざといアイドル、可愛いアイドルは見送るまで、好意的な微笑みを見せてくれたのだが、どうも営業用だと線引きをしてしまうのは、私が可愛くないからでしょう。
「はいはい、素直になれば子供じゃないんだからさ」
「私は素直ですよ」
「どうだかな」
ナナさんまで、含みのある笑顔を向けてくると言う事は、心外もいいところです。
「さて、ミケらんというゲストも来たんだし、結果がほしいですね」
「継続というのも一つの立派な結果だと思うが確かにな」
「放送されたとかそういった情報が一切来ないのよね」
人気上昇中のアイドルが来て、放送されないというのは、そもそも私達に魅力がないという証にもなりかねない気がするし、30回目と重ねているが、スタッフから吉報をもたらされるわけでもなく、かといって終了と言う凶報をしらされるわけでもない。
「まぁミケらんも頑張ったし、今回はいけるんじゃないか」
「そういうと何か叶いそうもないですね」
「ヒナは、ミケらんから可愛いさを学ぶべきよね」
「うるさいですよ」
「それはあんたのケイタイでしょ」
メール音がならないように、マナー音にしているというのに、メールが止まらない、いや迷惑メールかというぐらいに止まらない。
差出人の名前をみずとも分かってしまう、先程交換したあのアイドルが送りつけているのだろう。
「ほらほら可愛く返信したら?」
「アミさん、私絵文字使えないんですよね」
「あんた女子?今時40の親父でも絵文字使うわよ」
「それは人それぞれですからね」
「まぁ絵文字はともかく、きちんと返信することだな」
「そうそう、折角仲良くなったんだから、早めに返信しないとね」
仲良くなっていないといっているのに、まぁこうもメールがきて、返信しないのは流石に失礼なので返信しないととは思いますが、まぁお疲れさまでしたの文字だけでもいいでしょう
「まぁ早めに返信しますよ」
「へぇやけに素直じゃない」
「ぐずぐずしていたら、前回ラジオ放送できませんでしたの報告になりそうですからね」
「ヒナ、あんた本当に性格可愛く無いわね」
「いや、悪魔のアミさんに言われたくないです」
「まぁ縁起でもない話はやめよう」
「でもナナ、ヒナの言う事は、縁起が悪いと言うより、現実に近いわよね」
「アミさんの言うとおり、現実みましょうよナナさん」
「いや、なんで私がおかしいみたいな流れになるんだ」




