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あざといアイドルと仲良くなろう、上辺だけでも

「始めましてミーちゃんずのミケらんです」


 猫耳と天使というあざといアイドルが聖クロス学園への朝の十一時になろうかという時間に、宿直室にやってきた。

 全体的に弱弱しい印象をうけ、守ってあげたくなりたくなるような雰囲気ではある、現に所々怯えているのか振るえている。

 

 若干の上目づかいと言うのがあざとさは、あるもののマネージャーもつけずに、アウェーまできたのは、褒めてあげていいかもしれません。


「はじめまして、えぇとナナうちらのグループ名前なんだっけ」

「ヒヨナミだ、覚えておけ」

「やぁねぇ冗談よ、冗談場を和ますためのジョークよ、私はアミそっちの天使がナナ、それで睨みつけてる子がヒナよ」


 あぁ所々怯えているのは、私が睨んでいるせいだったようです。


「睨んでいるつもりは無かったのですが、感情が顔に出てしまったようです。」

「えっと、もしかして、あたし嫌われてます?」

「もしかしないほうですね」


 自分で聞いておいて、すこし泣きそうになっていて、涙腺が弱いとかあざといです。

 原因の私が思うことはでは通常無いんですが、どうしても八つ当たりぎみになってしまっています。

  

「まぁ私としては、そんな状況でラジオ収録に放りこむわけにもいかない」

「放りこんだら放り込んだでおもしろそうな感じがするわね」

「アミは黙ってろ」

「はいはい」

「そこで、調理実習で仲良くなってもらう」

「お菓子作りですか」

「いや、なんでお菓子作らないといけないんですか、普通お昼ご飯でしょ」

「すみません」


 女子同士で調理実習で、お菓子作りというのは考え方があざとすぎます。


「そこらへんが女子力、ひいてはアイドルの差なんじゃないの?」

「なるほど、あざといだけかと思っていました」

「とりあえず献立はごはんと味噌汁と肉野菜炒めでいいだろう」

「本当に調理実習のメニューですね」

「面倒だからご飯はチンしたのでいいんじゃない?味噌汁もインスタントでいいわね」

「めんどくさがるな、親睦をかねているんだから」


 どんどん進んでいく、流れについていけていないのかおろおろして会話にはいるタイミングを逃してしまっているミケらん。

 そんなミケらんに、アミさんとナナさんは気づいているのか、いないのか宿直室から調理実習へと向かっていき、私もむかおうと思いますが、この人このまま此処で立ち尽くしてしまいそうです。

 

「ほら、ぼぉーとしていないで行きますよ、家庭科室に案内しますから」

「はい、あの、ありがとうございます」


 ほっとしたような態度、素直にお礼をいえるとか、ちょっとにこやかに微笑んでくるとはあざといですね。

 ここらへんの素直な可愛いさが私には無い、アイドル力と言うものでしょうか。


「まぁ今回はこっちも宜しくお願いしますよ」


 私も見習ってあざとく、あくまでもあざとくミケらんに挨拶すると、それ以上の可愛いさのまさに天使の笑顔がこちらに向けられた。

 

 

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