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思うことはある。

 町に出てから流石に二人はその容姿で目立っている。


 普段は気にしないようにしているが、人目というものは正直で、視線という視線がおふた方に飛んでいき、私なんて目にも入っていないんだろう。


 同じアイドルグループとはいえ違いは大きい。


 天使と悪魔というのは容姿が目立つものであるが並んであるいたところで人間の私では太刀打ちというのができないから並んで歩きたくないと思うこともある。


「あっそうだ、しばらくラジオの収録どうするの」

「結果はどうにしろ撮りためていたほうがいいと思うが」

「でも、もしかしたら無駄になるのもねぇヒナはどう思う?」

「まぁ撮っていってもいいと思うんですけど、ナナさん事務所はなんて言っているんですか?」


 こうしてアイドルの仕事の話をすることが不思議なぐらい私は本当は場違いなのかもしれない。


「とりあえず現状維持ということだったな」

「仕事はなしか」

「まぁこれで反応をみたいというのもあるんだろうな」

「なるほど、じゃあしばらくは続けましょうかどうせ結果1週間ぐらいでくるでしょうし」

「そうだなさて、町にでたついでに買出しにでもいくか」

「そうですねぇ、ラーメンのストックも切れそうですしね」

「ラーメン好きよね」

「そりゃあ手軽でおいしいですから、理科室もあるからビーカーラーメン挑戦したいですよね」

「あれ新品じゃないと色々まずいぞ」

「まぁそもそもビーカーでラーメン作りませんよ冗談ですよ」

「ならいいがな」


 冗談まじりの会話をしているのが不思議なくらいに、周りの人がなんで喋っているんだと不思議に思ってクビをかしげている位にわたしの立ち位置は不自然なのかもしれない。

 

 仲間はずれという目でみられているのかもしれない。


「他になにかあります?」

「野菜類も買わないとな、せめて乾燥ワカメはラーメンにプラスしたほうがいい」

「いや、ラーメンじゃなくてですね」

「卵は買っておいたほうがいいわよストックないし」

「なんか思考がラーメンに偏っていますね」

「そうねぇ後はスーパーに入ってから決めればいいんじゃない?」

「そうだな」


 ただアイドルという職業を目指す、なるからにはそういった天使と悪魔と並ぶということでもある。

 嫉妬することはあっても心が折れてはいけない。


 まわりの視線や声など一々気にしていては私はアイドルになれる筈がない。


 私はアイドルになりたいのだから。

 

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