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呪われ王子と金次第聖女※第二章完結  作者: まる
第二章

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旅のきっかけ

リャト王子が俯いたままになってしまった。それを見た王太子殿下がギリウス王子を見て困ったような顔をする。きっと私と同じで言い方が悪いと思っているのだろう。


「リャト、それ以外に呪いに関する情報は何か書かれていたか?」


王太子殿下が浮かしていた腰を下ろしてそう聞くと、リャト王子は俯いたまま首を振った。それ以外のことは書かれていなかったらしい。


「女神ティアに合えば呪いを解いてくれるかもしれませんよね」

「ああ。どこへ行けば会えるのだろうな」


王太子殿下がそう言って、テーブルの上に置かれた手記の写しを見る。それ以外に何も書かれていなかったと言うことは、女神ティアに会える場所の手がかりもないと言うことだ。


魔法使いシュルベルはライアスの初代聖女だった。かれ、もしくは彼女はどうやって女神ティアにあったのだろうか。


「触ってもいいですか」


そう確認を取ると、マーロ様がどうぞ、と手でさし示してくれる。シュルベルの手記は思っていたよりもどっしりとしている。記録をするのが好きな人だったんだろう。読みはせずにペラペらとめくっていると、途中で絵が描かれていることに気づいた。

その前後には文章が描かれていない。大雑把な枠線に点が二つ打たれている。なんの絵だろう、動物?と思って見ていると、王太子殿下も覗き込んでくる。


「どうした?」

「これなんの絵でしょうか?」


私がその絵を見せると王太子殿下も難しそうな顔をした。なんの絵かはわからない。するとギリウス王子が椅子から立ち上がり、その絵を覗き込んだ。そしてまもなく地図じゃないのか、と呟いた。


「何かの場所を示しているんだろう。そうじゃkなければそんなところに点など打たない」

「これ、絵も正確に写されているんですか?」


私がマーロ様にそう尋ねると、マーロ様は心外だと言う顔をした。


「もちろん正確に写しています」


その言葉にまた三人で絵を覗き込む。地図だとしたらどこの地図なんだろう。ライアスかな、と思っていると王太子殿下が口を開いた。


「リャト、アルルの地図はあるか」


その言葉にマーロ様が私が、と言って立ち上がる。マーロ様は机から地図を取り出すとすぐに持ってきてくれた。それを王太子殿下が御礼を言って受け取り、テーブルの上に広げる。そして上下を逆さにしたり左右をずらしたりした。


「王太子殿下」

「ああ、これはアルルの地図だな」


王太子殿下の言葉に私も頷く。ギリウス王子が大正解だったと言うことだ。地図に示された点は、王都から北の位置に二つ打たれていた。それを王太子殿下が躊躇せずに地図に打つ。


「ここら辺だろう」

「そんなところに何かあるのか」


ギリウス王子が不思議そうに呟いた。地図の上では村も何もないところに二つ点が打たれたのを見て、私も何かあるのだろうかと考えてしまう。行って何もなかったらそれこそ徒労だ。


「わからないが、行ってみる価値はある。呪いを解くためならな」


王太子殿下がそう言って笑う。私は王太子殿下が行くところにはついていかなけれbならない。王太子殿下は最低七日に一度は力を当てないと呪いが進んでしまう。そう思って腹を括っていると、ギリウス王子が何かを言いかけて、そしてやめた。


「ギリウス、お前もついてきてくれ」


王太子殿下はこともなげにそう言った。ギリウス王子は王太子殿下を見て、そして私を見る。


「…父上がいいと言えばいいだろう」


ギリウス王子の返事に王太子殿下がよし、と呟く。確かに北までは遠い。信用できる人物は多い方がいいだろう。ギリウス王子のことを信用できるかと言われれば別だが、彼は根は悪い人ではないみたいだし。


「ありがとうリャト。助かった。地図はもらって行くぞ」


王太子殿下がそう言って立ち上がる。私もそれに合わせて腰を浮かせた。リャト王子は俯いて座ったままだったけれど、マーロ様は立ち上がった。私たちを見送ってくれるのだろう。歩き出そうとした時に、不意に声が聞こえた。


「ま、ま、待ってく、ください」


それはリャト王子のもので、みるとリャト王子は顔を上げていた。その表情に必死さが垣間見えて、思わず足を止めてしまう。それは全員同じだったようだ。


「ぼ、僕も、連れて、い、行ってください」


小さな声だ。それにどもっている。それでも確かに意志を持った声が部屋に響いた。それにいち早く反応したのはマーロ様だった。

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