試合後
シーン:2024年7月 岡崎レッドダイヤモンドスタジアム 駐車場
(夕焼けが駐車場を染める。試合後の興奮がまだ空気に残り、観客たちがそれぞれ帰路についている。松川永史が白いランボルギーニの横に立ち、リモートキーでドアを開ける。)
(ふと視線を上げた永史が、少し離れた場所にいる二人の姿を見つける。ユニフォーム姿の市山礼と、彼に向き合うあおい。二人の間には特別な空気が漂っているように見える。)
(松川は帽子のつばを少し上げ、じっとその光景を見つめる。遠くて会話の内容は聞こえないが、市山の疲れた顔とあおいの真剣な表情が目に入る。)
(数秒間その場に立ち尽くす松川。しかし次第に、彼の眉がわずかに寄り、唇がきつく結ばれる。目線をそらし、ランボルギーニに乗り込むとドアを勢いよく閉める。)
松川永史 (心の声)
「……俺は……嫉妬しているのか……?」
(松川が深く息を吐き、エンジンをかける。鋭いエンジン音が静かな駐車場に響き渡る。彼はシフトを入れ、アクセルをやや乱暴に踏む。ランボルギーニは力強い加速で駐車場を出ていく。)
(サイドミラー越しに、一瞬だけ二人の姿が映る。しかし、松川はその視線を振り切るかのように顔を正面に向ける。)
シーン:東名高速道路
(松川永史のランボルギーニが追越車線を疾走する。ヘッドライトがまばゆく光り、周囲の車を次々と追い越していく。)
(松川のハンドルを握る手が少し強張っている。額に汗が浮かび、複雑な表情を浮かべている。)
松川永史 (心の声)
「こんな感情……初めてだ。」
(アクセルをさらに踏み込み、ランボルギーニは夜の高速道路に溶け込むように疾走していく。窓の外には街の灯りが流れていくが、松川の瞳はそのどこにも焦点を合わせていない。)
(エンジン音だけが空気を切り裂き、車は闇に消えていく。)
シーン終了




