表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/37

放課後 屋上

(放課後、あおいが帰ろうとすると下駄箱の中に手紙を見つける。)


あおい

「『屋上で待ってます。』誰だろう…。」



(風が吹き抜ける屋上に足を踏み入れると、そこには野球部主将の桐山礼が立っている。)


桐山礼

「あおいさん…来てくれて、ありがとう。」


あおい

「あ…桐山くんだったんだ。」


(桐山は真剣な目であおいを見つめ、少し緊張しながらも一歩前に出る。)


桐山礼

「あおいさん、俺、ずっとあおいさんを見てました。強い意志を持ってて、周りの誰よりも輝いている。受験も近いのに告白なんて迷ったけど、伝えないと後悔するって思って…」


(あおいは驚いた表情を見せるが、すぐに微笑んで静かに話す。)


あおい

「…ありがとう。でも、今は勉強に集中したいから、ごめんなさい。」


(桐山は一瞬残念そうな表情を見せるが、やがてうなずき、納得したように笑みを浮かべる。)


桐山礼

「そっか…。でも、俺もあおいさんに負けないくらい頑張るよ。…ありがとう、来てくれて。」


(あおいは再び軽く微笑み、頭を下げる。屋上から立ち去ろうと、桐山に背を向けて歩き出す。)


桐山礼

「あおいさん…!」


(その声に立ち止まり、振り返るあおい。風が吹き抜け、二人の間に静かな時間が流れる。)


桐山礼

「俺、東陵を絶対に甲子園に連れて行く。…そして、ドラフトで指名されて、プロになってみせる。」


(桐山は力強い目であおいを見つめ、声に決意を込めて叫ぶ。)


桐山礼

「だから…君にふさわしい男になって、必ず、また迎えに行く!」


(あおいは驚き、桐山の真剣なまなざしに一瞬圧倒されるが、やがて穏やかな微笑みを浮かべる。)


あおい

「…うん、お互いに頑張ろうね。」


(二人は互いに視線を交わし合う。あおいは再び小さく微笑み、背を向けて歩き出す。)


(桐山はその姿を見送りながら、拳を握りしめて誓うように立ち尽くす。)


(あおいが屋上のドアを閉め、階段を降りる音が響く。桐山は一人、屋上で風を受けながら、決意を新たにその場に立ち続けている。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ