2024年 4月
シーン:2024年4月 高校3年の始業式の朝
(朝の柔らかな陽光が窓から差し込む。あおいは自宅の鏡の前に立ち、制服のネクタイを整えている。)
(鏡に映る自分を見つめると、自然とこの1年の出来事が頭をよぎる。)
回想
(あおいがメイクの練習をしている。動画を見ながら眉の描き方を真剣に研究し、何度もやり直す。)
あおい
「うーん…難しいな。でも、もうちょっとで上手くいきそう。」
(ある日、ショッピングモールで新しいコスメを手に取り、自分に似合う色を真剣に選ぶ姿。)
(放課後、友達に髪型を褒められ、少し照れくさそうに笑う。)
クラスメートA
「あおい、最近めっちゃ可愛くなったよね!」
(あおいは少し驚きつつも、嬉しそうに微笑む。)
(夜の部屋。机の上に開かれた参考書とノート。必死に問題を解くあおいの横顔は真剣そのもの。)
あおい(心の声)
「もっと頑張れる。もっと…!」
(試験結果が張り出される掲示板の前。1位に自分の名前があるのを見て、一瞬目を疑うあおい。)
クラスメートB
「え、1位…あおい!?すごい!」
(周囲の視線が変わっていくのを感じる。かつては目立たなかった自分が、今は学校中の話題になっている。)
放課後の教室
(担任教師との進路相談。向かいに座るあおいの表情は真剣だ。)
担任教師
「このままいけば、この春日井東陵高校から久しぶりの名大合格者が出るんじゃないかって、みんな話してるんだ。期待してるぞ、あおいくん。」
あおい
「はい。頑張ります。」
(担任が微笑みながら、あおいの変化に触れる。)
担任教師
「勉強だけじゃなく、態度や振る舞いもすっかり変わったね。」
(あおいも少し笑って、うなずく。)
現在・自宅の鏡の前
(鏡の中の自分をもう一度見つめる。)
あおい(心の声)
「こんなふうに変われたのは…そう、あの人に出会えたから…。」
(脳裏に浮かぶのは、松川永史の穏やかな笑顔。)
あおい(心の声)
「高校最後の1年、もっともっと頑張ろう。」
(ネクタイを整え終え、軽く髪を整えて家を出る。)
シーン:登校途中の道
(朝の光が降り注ぐ通学路。あおいはまっすぐ前を見つめながら、軽やかに歩いていく。)
(その姿を、通りすがった男子高校生の一団が思わず振り返る。)
男子高校生A
「今の…もしかして…?」
男子高校生B
「あれが、噂の東陵のあおいさん…?」
男子高校生C
「アイドル並みじゃねえか…。」
男子高校生D
「見た目だけじゃなく、成績も優秀なんだってよ。」
(そんな視線を気にも留めず、あおいはただ前を向いて歩いていく。)
(春の風がそっと彼女の髪を揺らし、朝日がその姿をやさしく照らしていた。)
(シーン終了)