表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/107

2023年 10月 六本木

シーン:六本木ビバリータワー 松川永史の部屋


(がらんとしたリビング。高層階の窓から東京の夜景が広がっているが、部屋の中は静まり返り、家具がすべて運び出された空間が広がる。松川永史がひとり、リビングの中央に立ち、思い出にふけっている。)


松川永史(心の声)

「……がらんとしてるな。」


(少し寂しげに笑う。窓際に歩み寄り、夜景を見つめながら、思い出がよみがえる。)


松川永史(心の声)

「ここには、たくさんの人間がやってきた。男も女も。何度もパーティーを開いて……飲んで、食べて、最後はみんなで雑魚寝。」


(苦笑いを浮かべ、天井を見上げる。)


松川永史(心の声)

「俺の歓心を買おうと、裸踊りまでしたやつもいたっけ……今思えばくだらない。でも、当時はそれが楽しかったんだ。」


(ゆっくりと部屋を見渡す。広いリビングの空虚さが胸に刺さるように感じられる。)


松川永史(心の声)

「でも、そんな生活とも、これで本当にさよならだ。」


(窓の外をじっと見つめる。遠くに輝く東京タワーが見える。)


松川永史(心の声)

「次の棲家は文京区、歓楽街からはほど遠い。」


(一瞬、微笑むが、その表情にはどこか決意が感じられる。)


松川永史(心の声)

「新しい場所で変わろう。これまでの俺と決別して……。」


(ふと、あおいの笑顔が脳裏に浮かぶ。松川の表情が柔らかくなる。)


松川永史(心の声)

「……たとえ、あおいちゃんともう会えなくても。」


(自分の胸に手を置く。あおいに出会ったことで生まれた、かすかな感情を大切にするような仕草。)


松川永史(心の声)

「あおいちゃんに出会えた証を、俺の中に残していくことはできる。」


(窓の外を最後にしばし見つめると、鍵を閉めゆっくりと部屋を後にする。。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ