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2023年 8月

シーン:2023年 8月 春日井東陵高校 応接室


(応接室には木目調の高級感ある机と椅子が並ぶ。校長と教頭が深々と頭を下げ、松川永史に感謝を述べている。)


校長

「松川さん、このたびは高価なプロジェクターを寄贈していただき、本当にありがとうございます。おかげさまで、生徒たちも最新の設備で学ぶことができるようになります。」


松川永史

「いえ、そんなお礼を言われるほどのことではありませんよ。」


(少し微笑みながら)


松川永史

「実は、少し前にカードケースを紛失しましてね。それを東陵高校の生徒さんがわざわざ届けてくれたんです。おかげで、とても助かりました。それで、母校の後輩たちのために、自分も何かお返しがしたいと思いまして。」


(松川、丁寧に頭を下げる校長と教頭を見て、少し照れたように心の中でつぶやく。)


松川永史(心の声)

「こんな風に感謝されるのは、正直少し照れくさいな……。直接ではなくても、何かあおいちゃんの役に立つことがしたい、ただそれだけなんだ。」


校長

「いや、本当にありがたいことです。これからも、何かあったときは、ぜひともよろしくお願い申し上げます。」


松川永史

「ええ、私でお役に立てることがあれば、何でもおっしゃってください。」


(軽く頭を下げる松川。校長が話題を変えるように言葉を続ける。)


校長

「実は、いまの2年生に、プロ野球に行けるかもしれない生徒がいるんですよ。」


(校長の明るい声に、松川は少し笑みを浮かべる。)


松川永史

「ほう、すごいですね。」


(ふと、思いついたように言葉を続ける。)


松川永史

「ああ、2年生といえば、友人のお子さんがこちらの2年にいるんです。あおいさん、っていう子、ご存じですか?」


(松川、あえてさりげない口調を心がけるも、内心では少し緊張している。)


松川永史(心の声)

「いきなり名前を出すのは不自然じゃなかったかな……?でも、せっかくだから、彼女のことを少しでも聞けたらいい。」


(校長、あおいという名前を聞いて、しばらく考える様子を見せる。)


校長

「あおい……くん……うーん、どの子だったかな……」


(すかさず教頭がフォローに入る。)


教頭

「校長、先日お話したじゃないですか。最近、すごく成績が伸びている子です。このままいけば来年名大を狙えるっていう…。」


校長

「ああ、あの子か!確かに、生活態度や立ち居振る舞いもガラッと変わって、驚いたよ。」


(松川はその言葉を聞き、安堵の表情を浮かべる。)


松川永史(心の声)

「あおいちゃん……頑張っているんだな。本当に、努力家な子だ。彼女らしいよ。」


松川永史

「そうですか。それは素晴らしいですね。やはり若い世代が夢を持って頑張る姿は、こちらも応援したくなります。」


(さりげなく話題を切り上げ、微笑む松川。内心では、あおいの近況が聞けたことで満足している。)


松川永史(心の声)

「この学校で、彼女が毎日頑張っていると思うと……自分ももっとしっかりしないといけないな。」


(外は夏の日差しが照り付けている。松川はふと窓越しに校庭を眺め、優しい笑みを浮かべる。)

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