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2024年 8月

シーン:予備校の教室(東大選抜クラス 夏期講習)


(広々とした教室。入口には「夏期講習 東大選抜クラス」と書かれた紙が貼られている。机に座る生徒たちの表情は真剣そのもの。あおいは教室の中央あたりの席に座り、次の授業のテキストを読み返している。)


(あおいの視線が、ふと周囲の生徒たちへ向けられる。)


あおい(心の声)

「さすが東大選抜クラス……みんなすごく優秀そうな顔をしてる。模試の成績がよかったおかげで、無料で受講できてよかった。」


(教室の隅で、数人の男女が話しているグループに目が留まる。私服姿の彼らが楽しそうに話している。)


あおい(心の声)

「あの子たち、旭谷の子たちかな。話の内容からして、たぶんそうだと思う。」


(別の場所では、よれよれのTシャツを着た男子たちが何人か集まっている。)


あおい(心の声)

「あっちは……西海高校の生徒っぽいな。いつも男の子ばかりで固まってる。」


(視線を戻し、目の前のテキストに集中しようとするあおい。しかし、ふと松川永史の顔が浮かぶ。)


あおい(心の声)

「松川さん……。しばらく会えてないけど……。」


(一瞬、松川との夜景を見ながらの食事や、優しい笑顔を思い出す。)


あおい(心の声)

「……でも今は、勉強をがんばらないと。ここにいると、そんな気持ちになる。」


(教室に講師が入ってくる、講師の張りのある声が教室中に響く。)


講師

「みなさんこんにちは。夏を制する者は受験を制す。いつやるか――今しかない!」


(教室中が少しざわめくが、すぐに真剣な空気が戻る。あおいも気持ちを切り替え、再びペンを握る手に力を込める。)


あおい(心の声)

「そうだ……今、がんばらないと。」


(静かな教室には緊張感が漂う。あおいも講師の言葉に耳を傾け、より一層集中する。)

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