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2022年 春
シーン:2022年春 高蔵寺スープリームコートタワーレジデンス 最上階
(広々としたモダンなリビングルーム。松川永史が大きな窓際に立ち、手に持ったコーヒーカップをゆっくりと傾ける。窓の外には青空が広がり、彼方に名古屋駅のツインタワーが見える。)
松川永史 (心の声)
「……完成したばかりのこのタワマン。最上階のこの部屋、思ってたよりずっといい。」
(カップを置き、窓枠に片手をかけて外をじっと見つめる。)
「けど、コロナ禍がこんなに長引くなんて、誰が想像しただろうな。」
(ふと視線を遠くに移し、深く息を吐く。)
「もう2年か…。海外どころか、東京にすらろくに行けなかった。六本木も錦三丁目も、行きつけだった店の多くが消えたって話だ。」
(一瞬、懐かしむような表情を浮かべるが、すぐにそれを振り払うように首を軽く振る。)
「派手に遊び歩いてた俺が、人とも会わず地元で静かに暮らしてる。まったく人生何がおこるかわからないものだ。」
(窓の向こうの空を見上げる。)
「でも、こういうのも悪くない。」
(コーヒーをもう一口飲み、ふっと微笑む。)
(シーン終了)




