ミラノ
シーン:イタリア ミラノ ヴェルサーチストア
(松川永史が店に入ると、すぐに笑顔で近づいてくる女性店員。)
女性店員
「Benvenuto, signor Matsukawa. È un piacere rivederla!」
(いらっしゃいませ、松川様。またお会いできて嬉しいです!)
松川永史
「Grazie. Sono venuto per il mio ordine speciale.」
(ありがとう。特注のスーツを取りに来たよ。)
(女性店員はうなずき、試着室へ案内する。)
(少しして、松川永史が試着室から出てくると、オーダーしていたスーツ姿の彼に店内の視線が一斉に集まり、周囲はざわめく。)
女性店員
「Perfetto… Lei sembra come se fosse nato per indossare Versace.」
(完璧です…まるでヴェルサーチを着るために生まれてきたかのようですね。)
松川永史
「Davvero? Grazie, è molto comodo anche.」
(本当に?ありがとう、着心地もすごくいいよ。)
(続いて松川は、棚にある他の商品も次々と指差しながら、雑に注文していく。)
松川永史
「Prendo anche questi occhiali da sole, e quella camicia. E aggiungi la cravatta in seta.」
(このサングラス、それとあのシャツも。シルクのネクタイも追加してくれ。)
女性店員
「Certamente, signore. Anche i guanti in pelle?」
(かしこまりました。それから、革の手袋もいかがですか?)
松川永史
「Sì, prendiamoli. Anche la cintura, e poi basta.」
(ああ、それも。それからあのベルトも。これで十分だ。)
(全てのアイテムをカウンターでまとめ、女性店員が会計を進める。松川はアメックス・センチュリオンを差し出して支払いを済ませる、カード利用控え受け取ると、いっしょに小さな紙が渡されていることに気づく。その紙にはイタリア語で何かが書かれている。)
松川永史(小声で)
「Aspetterò davanti al Duomo alle 8 di stasera.」
(今夜8時にドゥオモの前で待っています。)
(驚いた様子で女性店員を見つめると、彼女は少し恥ずかしそうに微笑む。松川永史も控えめに笑みを返す。)
女性店員
「A stasera, signor Matsukawa…」
(今夜、お待ちしています、松川様…)
(二人は静かに視線を交わしながら、松川永史は商品を持って店を後にする。)
(シーン終了)




