内津峠
シーン:岐阜県多治見市 陶器屋
(多治見の陶器屋に到着し、荷物を手渡す松川。陶器屋の店主が笑顔で頭を下げる。)
陶器屋店主
「ありがとう!助かったよ。わざわざ届けてくれて。」
松川永史
「いえ、近くに来たついでですから。またよろしくお願いします。」
(短いやり取りの後、松川は再び愛車「ニュー・アンドロメダ号」にまたがり、国道19号へと向かう。)
シーン:内津峠 国道19号
(辺りはすっかり暗くなる中、松川は坂道を駆け上がり、県境のトンネルに入る。トンネルの出口が見えた瞬間、彼の表情が変わる。)
松川永史(心の声)
「ここからが本番だ…。今夜はどれだけ攻められるか。」
(トンネルを抜け下りに差し掛かる頃、彼の視線は鋭く、まるで別人のような集中力を見せている。)
シーン:内津峠 ギャラリーポイント
(峠にはギャラリーが集まり、道路脇から走り屋たちを見守っている。遠くからバイクのエンジン音が迫ってくると、ギャラリーがざわめく。)
ギャラリーA
「おい、あれスーパーカブじゃないか?まさか…あいつが来てるのか?」
ギャラリーB
「やべえ、キレた走りだ…。鳥肌が止まんねえ!」
(スーパーカブが一瞬で目の前を通り過ぎ、鋭いスキール音を残してカーブの先へと消えていく。ギャラリーたちは唖然とした表情で見送る。)
ギャラリーC
「ヘルメット越しにもわかるメガネとヒゲ…しかも相当なイケメン…。あれが今噂になってる松川永史…頭文字E…。」
(松川永史は峠を駆け抜けながら、微かな微笑みを浮かべる。)
松川永史(心の声)
「スピードも自由も、すべては俺の手の中にある…。こんな夜こそ、生きてる実感が湧くんだ。」
(スーパーカブが、闇の中に溶け込むように消えていく。)
(シーン終了)




