ランボルギーニの男
高蔵寺駅前。日が沈み始め、涼しい夜風が吹く中、あおいが待っていると、遠くから白いランボルギーニが静かに近づいてくる。
(ランボルギーニがあおいの前で停まり、運転席からラフなジャケット姿の松川永史が降りてくる。いつもよりカジュアルな姿だが、そのヒゲが渋く、相変わらずの魅力を放っている。)
あおい(心の声)
「わ…いつもスーツの松川さんも素敵だけど、この私服姿もなんだか…かっこいい…」
松川永史
「待たせちゃったかな?ごめんね、渋滞してて。」
あおい
「あ、いえ、大丈夫です!」
松川永史
「今日は食事を予約してあるんだけど…うーん、その服だと少しカジュアルすぎるかもね。」
あおい
「え…!」
松川永史
「少し寄り道しようか。あおいちゃんにぴったりの服、買いに行こう。」
(あおいが驚きつつも頷くと、松川はにこっと微笑み、助手席のドアを開けてあおいを促す。)
(シーン変わって、名古屋のヴェルサーチの店内。高級感あふれる店内で、あおいがシックなドレスを試着する。)
あおい
「こんな…高そうなドレス、私には似合わないし、もらえません…」
松川永史
「いいの、いいの。今日は特別な日だからね。」
(松川がクレジットカードを取り出し、会計を済ませる。そのカードがアメックスセンチュリオンであることに気づき、あおいが息を飲む。)
あおい(心の声)
「アメックス…しかもセンチュリオン?こんなカード、テレビでしか見たことない…松川さんって一体何者なの?」
(次に訪れたのは高級サロン。プロのスタイリストにより、あおいのヘアセットとメイクが施される。スタイリストが仕上げの手直しをし、あおいに大きな鏡を見せる。)
あおい
「これ…私?」
(そこには、シックなドレスをまとい、美しく変身したあおいが映っている。普段の自分とは違う大人びた自分に、あおいは思わず見とれてしまう。)
松川永史
「やっぱり、最初に会ったときからずっとそうだと思ってた。あおいちゃん、きれいだよ。」
(その言葉にあおいは顔を真っ赤にし、照れくさそうに視線をそらす。)
あおい
「…ありがとうございます。でも、こんな私が…」
松川永史
「自信を持って。今日だけじゃない、君はずっとそのままで素敵だよ。」
(あおい、感動しながらも、緊張と喜びで顔を赤らめ、静かにうなずく。松川がそっと彼女の肩に手を置き、次の場所へと案内するため、微笑みながら車へと導く。)