寿司懐石
(松川永史とあおいはダイニングに座り、目の前には寿司職人が立っている。ダイニングの窓から見える東京の夜景が、贅沢な空間を彩っている。)
寿司職人
「では、こちらからお通しをどうぞ。」
(お通しがふたりの前に置かれる。繊細な盛り付けが美しい小皿には、山海の幸が少量ずつ上品に盛られている。)
あおい
「わぁ…こんなに綺麗なお通し、初めて見ました。見てるだけで満足しちゃいそう…。」
松川永史
「ふふ、楽しんで食べるといいよ。」
(あおいが一口含むと、その繊細な味わいに思わず目を見張る。)
あおい
「ん~…美味しい…。しっかりと旨みがあって、でも口の中でふわっと溶ける感じが…たまりません。」
(松川が微笑みながら、隣で彼女の様子を静かに見守っている。)
(続いて、寿司職人が三種類のおつまみを差し出す。)
寿司職人
「こちらは、おつまみの三点。まずは、白身魚の昆布締め、鮑の肝ソース添え、そして帆立の焼き物です。」
あおい
「どれも素晴らしい…特にこの帆立の焼き物、口の中に旨みがぎゅっと詰まってて…幸せです。」
松川永史
「職人さん、素晴らしい仕事だね。」
寿司職人
「ありがとうございます。こちらも、これだけ喜んでいただけるとやりがいがあります。」
(続いて、刺身5点盛りが運ばれてくる。盛り付けはまるで芸術品のようで、彩りも美しい。)
寿司職人
「こちらは、刺身の5点盛りになります。大間のマグロ、天然の鯛、北海道産のウニ、アワビ、そして車エビです。」
あおい
「こんなに新鮮な刺身…すごく贅沢ですね。大間のマグロって、本当に特別なんですね。」
松川永史
「そうだね。刺身は素材の良さが一番際立つ。東京の夜景を見ながら、こんな美味しい刺身が食べられるのも贅沢だろう?」
あおい
「はい…東京の夜景も、なんだかキラキラしてます…。」
(続いて、焼き物が運ばれてくる。炭火で丁寧に焼かれた魚の香ばしい香りが漂う。)
寿司職人
「焼き物です。こちらは、ノドグロの塩焼きでございます。」
あおい
「ノドグロ…!高級魚ですよね。ふわふわで、脂がしっかりのってて…おいしい。」
松川永史
「よかった、喜んでもらえて。」
(続いて、握り寿司がひとつひとつ丁寧に握られ、前に差し出される。大トロが出てきた時、あおいは思わず目を輝かせる。)
あおい
「まぐろの大トロ…!とろけるような柔らかさと、脂の甘みが最高ですね…。」
(松川はそんなあおいを見つめ、静かに微笑んでいる。)
松川永史
「こうして美味しい寿司を、心から楽しんでくれる人と食べるのもいいものだ。」
(その時、寿司職人がふと松川を見ながら話し始める。)
寿司職人
「松川さん、珍しいですね。女性をお連れになるなんて。いつもはお仕事関係の方ばかりなのに…。」
松川永史
「余計なことは言わなくていいよ。」
(そのやり取りを聞いたあおいは、どきっとし、思わず顔が赤くなる。)
あおい(心の声)
「いつもはお仕事の人だけ…私は特別ってことなのかな…?」
(寿司を食べ終え、玉子焼き、お椀、香の物、そしてデザートが提供される。デザートは上品な抹茶アイスと小さな和菓子の盛り合わせ。)
あおい
「デザートまで、すべてが完璧ですね…こんな贅沢、味わったことないです。」
松川永史
「満足してもらえたならよかったよ。」
(あおいは東京の夜景にうっとりとしながら、松川の横顔を眺める。彼の余裕ある笑顔と、どこか余裕がありながらも細やかな気遣いに心が温まるのを感じる。)
あおい
(心の声)「松川さんって、本当に素敵な人だな…」
(その横顔を見つめるあおいの頬に、東京の夜景の光が柔らかに映る。)