ザ・タワー・オブ・エクセレンシア 本郷文京
(東大本郷キャンパスからしばらく歩くと、二人の前にそびえ立つ高層ビルが現れる。入口には「THE TOWER OF EXCELLENCIA HONGO BUNKYO」の文字が)
あおい
「ここが…連れてきたかった場所、ですか?」
松川永史
「うん。ここだよ。」
(松川がカードキーをかざすと、静かにドアが開く。あおいは少し驚きながらも松川についてエントランスに入る。)
あおい
「ここ、マンションですよね?…松川さん、東京にも部屋があるんですか?」
松川永史
「まあ、東京にも来ることが多いからね。」
(その言葉に柔らかく微笑む松川。あおいはなんとなく圧倒されつつ、エレベーターに乗り込む。)
(エレベーターの中、ボタンが最上階を指していることに気づき、あおいが少し戸惑いを見せる。)
あおい
「…最上階なんですね。」
松川永史
「東京の景色を、ここから見せてあげたくてね。」
(あおいがふと口を開こうとするが、何も言わずにまた閉じる。エレベーターが静かに最上階に到着し、扉が開くと目の前に広がるのは最新タワーマンションの豪華なインテリア。)
あおい
「わぁ…ここ、本当にすごいですね。なんだか、信じられない感じ…。」
(松川、部屋に入ると間接照明をつけ、リビングルームに導く。壁一面の大きな窓から、東京の夜景が一望できる。)
松川永史
「春日井のマンションよりは狭いけどね。東京だと、これでもかなりの値段がする。」
(松川がいつも通り微笑むと、あおいの胸が高鳴る。彼女は松川のことをもっと知りたくてたまらないが、その思いを口にするのを少しためらっている。)
あおい
「…松川さん、お仕事は何をされてるんですか?東京にお部屋まで持っているなんて…」
(松川はあおいの質問に一瞬だけ目を伏せ、再び彼女に微笑みかける。)
松川永史
「それは、また今度ね。」
(あおいは松川の謎めいた言葉に軽く戸惑いながらも、彼の笑顔に安心してしまう。)
あおい
「…なんだか、夢みたいです。東京の夜景をこんなに素敵な場所から見られるなんて…」
(二人はしばらく無言で窓から夜景を見つめる。あおいはその静かな時間に幸せを感じ、自然と心が満たされていく。)
あおい(心の声)
「私の今の目標は、東大に行くこと…でも、もしかしたら、こうして松川さんと一緒にいることが、私にとって一番大切なのかも。」