対決のゆくえ
春日井東陵高校 グラウンド - 松川永史 vs. 桐山礼 勝負
審判
「プレイボール!」
第1打席
(桐山がバッターボックスに立ち、緊張の面持ちで構える。松川永史は軽く一息つき、初球を投げ込む。)
【1球目】
球種:ストレート(152km/h)
ボールカウント:0-1
桐山(心の声)
「う、うわ…速すぎる…!全然タイミングが合わない…」
あおい(心の声)
「松川さん、本気で…」
【2球目】
球種:ストレート(156km/h)
ボールカウント:0-2
桐山
「…くそっ…!」
【3球目】
球種:ストレート(164km/h)
ボールカウント:ストライク 3バッターアウト
(桐山のバットは空を切り、キャッチャーのミットに豪音が響く。ギャラリーがざわめく。)
ギャラリーの声
「今の164kmって…大谷じゃん…」
あおい(心の声)
「…信じられない、これが松川さんの本当の実力なの…?」
第2打席
【1球目】
球種:カットボール
ボールカウント:0-1
桐山(心の声)
「くっ…今のも、ストレートと見分けがつかない…!」
【2球目】
球種:スライダー
ボールカウント:0-2
桐山(心の声)
「完全なボールだと思ったのにアウトコースぎりぎり…」
【3球目】
球種:フォーク
ボールカウント:ストライク 3バッターアウト
(視界から消えるように落ちるフォークに、桐山のバットは大きく空を切る。)
あおい(心の声)
「…こんなの打てるわけない…」
桐山(心の声)
「この人…本物のプロみたいじゃないか…」
第3打席
【1球目】
球種:スライダー
ボールカウント:0-1
【2球目】
球種:フォーク
ボールカウント:0-2
桐山(心の声)
「…まだ、負けるわけにはいかない…!」
【3球目】
(桐山はフォークに食らいつき、かろうじてファールで粘る。)
ボールカウント:0-2
松川永史
「私のフォークをバットに当てたのは、君で二人目だ。一人目のやつも、君と同じ左打ちのショートだった。」
(松川が次の球を投げる体勢に入る。桐山は決意に燃え、覚悟を固める。)
桐山(心の声)
「フォークが2つ来たから次はストレートだ。来い…まっすぐ…絶対に打ち返してやる!」
【ラストボール】
球種:スローカーブ
ボールカウント:ストライク3バッターアウト
(予想を裏切るスローカーブは大きな弧を描き、桐山の前をゆっくりと通過すると、キャッチャーのミットに吸い込まれる。桐山は呆然としてその場に立ち尽くす。)
桐山
「……そんな…」
あおい(心の声)
「…桐山くん…」
(勝負が決し、あおいはただ無言で二人を見つめる。松川の表情には微かな満足感が浮かび、桐山はその姿をただ悔しそうに見つめている。)