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伝説のエース

高蔵寺スープリームコートタワーレジデンス 入口


(唐突な桐山礼からの勝負の申し込みに、あおいは何もできずただ立ち尽くす。しばらくの沈黙ののち、松川永史がゆっくりと口を開く。)


松川永史

「いいよ、受けて立とう。」


(予想しなかった松川の返答に、あおいは動揺を隠しきれない。)


あおい

「卒業して何年も経ってるのに、そんな無茶な勝負なんて…」


(松川はあおいにそっと微笑む。そして向き直り、桐山をまっすぐ見つめる。)


松川永史

「一週間だけ準備の時間をくれないか。」




一週間後 - 春日井東陵高校 グラウンド


(グラウンドに姿を現した松川永史。その顔は心なしか日焼けしているようにも見える。あおいが心配そうに声をかける。)


あおい

「松川さん、大丈夫ですか?どこに行ってたんですか?」


(松川はスパイクの紐を結びながら、ふっと微笑む。)


松川永史

「ハワイで自主トレしてきたんだ。久しぶりに体を動かすのも悪くないね。」


(あおいは驚き、目を見開く。)


あおい

「ハワイ…自主トレ…?」


松川永史

「これはあおいちゃんをめぐる戦いだから、俺も少し気合が入ってね。」


(その言葉に、あおいは一瞬息を飲み、胸がどきっとするのを感じる。)


(桐山礼が左打席に立つ。マウンド上の松川は、ロジンバッグ片手に条件を告げる。)


松川永史

「3打席。もし1本でもヒットを打てたら、君の勝ちでいい。」


(桐山は黙って、真剣なまなざしで頷く。)


(松川が大きく振りかぶった瞬間、いつもの柔らかな目つきが消え、鋭い眼光がグラウンドを突き抜ける。その様子に、あおいは息を呑む。)


あおい(心の声)

「…まるで別人…」


(松川はゆったりとワインドアップのモーションに入る。一連の動作には一切の無駄がなく、優雅さと力強さが同居している。その所作を見たとき、あおいは思わず息を呑む。)


あおい(心の声)

「この人…ただのピッチャーじゃない…。」


(あおいは松川の姿に釘付けになり、勝負の始まりを見守る。)

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