有馬記念
シーン:2024年12月22日 高蔵寺スープリームコートタワーレジデンス 最上階 松川永史の部屋
(部屋には緊張感が漂い、テレビには有馬記念の生中継が映っている。松川永史とあおいは、ソファの上で固唾を飲んで見守っている。)
テレビアナウンサー(実況)
「さあ、いよいよ2024年の有馬記念、ゲートが開いていまスタートしました!……おっと、10番プログノーシスが出遅れた!3番アーバンシックも出遅れ気味、最内から1番ダノンデサイルが前へ出ます!」
あおい
「えっ、8番は?レガレイラはどうなってるの!?」
松川永史
「落ち着け、まだ序盤だ。レースはこれからだ。」
テレビアナウンサー(実況)
「先頭はダノンデサイル。2番手には5番ベラジオオペラがつけ、3番手には7番スターズオンアース、そのすぐ後ろに8番レガレイラが控えています。外から13番スタニングローズ、そして中団に16番シャフリヤール!」
(あおいは両手をぎゅっと握りしめ、画面を見つめる。)
あおい
「8番、いい位置につけてる……でも、どうなるの……。」
松川永史
(優しく声をかけながらも自分も緊張している。)
「信じるんだ、あおいちゃん。レガレイラはここからだ。」
テレビアナウンサー(実況)
「ダノンデサイルが単独先頭!リードを保ちつつ1周目の4コーナーをカーブしていきます!後続もまだ団子状態、これは終盤に向けて激しい展開が予想されます!」
あおい
(声をあげて)
「松川さん、これ大丈夫ですか!?レガレイラ、抜けられるの!?」
松川永史
「焦るな。勝負は最後の直線だ。」
(2周目に入り、レースは白熱する。)
テレビアナウンサー(実況)
「2周目の向正面、ダノンデサイルがリードをキープ!しかし後続が一気に詰め寄る!ハヤヤッコ、ベラジオオペラ、そしてシャフリヤールもスパートを開始!8番レガレイラは内の好位をキープしています!」
あおい
「がんばれ、レガレイラ……!」
(4コーナーを回り、直線に入る。)
テレビアナウンサー(実況)
「最後の直線だ!ダノンデサイルがまだ粘る!外からシャフリヤール!そして馬群の中から8番レガレイラが末脚を伸ばしてきた!残り200メートル!」
松川永史
(身を乗り出し、力強く声を上げる。)
「行け、レガレイラ!ここだ!」
テレビアナウンサー(実況)
「内からレガレイラ!外からシャフリヤール!2頭が並んだ!ダノンデサイルは脱落!坂を駆け上がる!……ゴールイン!ゴールイン!際どいゴールですが、内のレガレイラがわずかに先着か!」
(テレビ画面には「1着:8番レガレイラ」「2着:16番シャフリヤール」「3着:1番ダノンデサイル」の順位が表示される。)
あおい
(感極まった声で)
「勝った……!8-16-1!やった、当たった……!!」
(その瞬間、あおいは立ち上がり、松川永史に飛びつく。)
あおい
「松川さん!やりました!本当にやりましたよ!」
松川永史
(あおいをしっかりと抱きしめながら、微笑む。)
「俺は信じてたよ。あおいちゃんなら絶対できるって。」
テレビアナウンサー(実況)
「3連単、8-16-1!配当は196,520円!1万円分購入していれば、その額なんと……1,965万2千円です!」
あおい
(涙ぐみながら)
「こんな奇跡が……本当に起こるなんて……。」
松川永史
(優しい声で)
「これは奇跡じゃない。あおいちゃんが信じて勝ち取った運命だよ。」
(部屋の中には歓喜と達成感が満ち、窓の外には星がきらめいている。)
シーン終了