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第2話 転移

この物語は小さい時から僕の心の中にもうひとつの世界として描いていました。

雑な文章にはなりますが僕の心の中にずっと秘めていた世界を誰かに見せることが出来ればと思います。

何時間寝ていたのだろう。体が重い。

やけにリアルで怖い夢を見た気がする。思い出せないけど。


「………んん〜……」


頭痛にうなされながらゆっくり目を開ける。



「あれ…?外…?」



目が覚めると地面に寝転がっていた。

酔っ払って外に出たのか?昨日酒なんて飲んだっけ?




いや、そんなことより気になることが一つ

「空………赤すぎんか………???」

夕日の赤なんかじゃない、血を垂らしたような赤色。

夕日なら綺麗とか、割とポジティブな感情を持つのだろうが、今日の空はとても不気味だ。

太陽すら出ていない、赤1色。

「えぇ………なんか気持ち悪……」


そもそも、ここがどこなのか分からない。

存在する日本の風景のようではあるが。

「何…?別人格が出てきてそのまま旅でもしてたのか?」


なにも分からない状況で下手に動けなくなってしまった。

こういう時こそスマホという便利なものがあるじゃないか。


ポケットに手を入れる、無い。

ケツポケットは………無い。

落としたか?どこにも見当たらない。


「うわ……マジか……終わった」

スマホ依存症の僕にとっては終わりも同然だ。

諦めて人が居そうな場所まで歩く。

元いた場所よりもずっと田舎だ。人が見つかるかどうかも怪しい。


せめてどこにいるのかさえ分かればどうにか帰れるのだが。

そう思い道路の案内標識を探しながら歩いた。

しかしどれも細かい地名ばかりでさっぱり分からない。


しばらく歩いて気づいたのが、やけにうどん屋の建物が多い。

「うどんと言えば…香川だっけ?」

別に僕はうどんを食べるためにわざわざ東京から香川まで行くような人間じゃないぞ?いや、香川ってうどん以外もなんかあるのか?僕は何しに来たんだ…?


しばらく歩くと校舎のようなものが見えてきた。公立であれば名前に〇〇立と付くはずだ。

「よし…これで何処に居るか分かるはず…」


正門らしき所まで早足で歩く。

学校名が書かれているところを見つけた。

「香川県立…………やっぱり香川なのか…」


さて、香川と分かったところでどうやって帰ろう。

財布も携帯も見当たらない。これでは電車には乗れないな。

無賃乗車をする度胸は無い。歩くしかないのか…いや、四国だよな…本州まで泳がなきゃ行けないか?



そう考えながら見回して気づいた。学校の敷地内、正面玄関らしきところに人が倒れている。

「え………………絶対大丈夫じゃないよなあれ」


敷地に勝手に入るのは少し気が引けるが人命が優先だ。見て見ぬふりはできない。


倒れている人の元に駆け寄った。細身の女性で長い前髪で片目が隠れている、その表情は恐怖に満ちていた。

僕は大きな声で呼びかけながら肩を叩いた。

「大丈夫ですか!僕の声聞こえますか!もしもし!!」

返事がない。呼吸はしているようだ。

「救急車………………」

救急車を呼びたいのだが生憎スマホを紛失してしまっている。

「くそ………こういう時どうするかな……」


無駄に考えるのは辞めだ。考えている間にもこの人の命は危険に晒され続けることになる。

近くに病院があればそこに運ぶしかない。

僕は女性の体を持ち上げ運ぼうとした。

柔らかい感触が当たる。顔が熱くなりそうだが今そんな事を考えるのは不謹慎極まりない。

顔を逸らして必死に移動させる。

「……くっ………おも……………」


「…………………おも……………?」

腕の中からかすかに声がした。慌てて女性の方を見る。

女性は目を覚ましてこちらの目をしっかりと見ていた。


「…………そんなに重いですか………私……」

失礼なことを言ってしまったことに気づく。しばらく女性と話していないと自分の失礼な言動に気づくのがワンテンポ遅れるみたいだ。


「いや!えっと…ごめんなさい!人間って全身の力が抜けてる状態だと体重の割に重く感じたりするらしいんですよ!!きっとそういうことです!!!」

必死に弁解をした。悪意がないことは分かってくれ…


「そんなことよりも…体調は大丈夫ですか?どこか痛いところとかありませんか?学校の前で倒れてたのを見て心配になって…」

とりあえず安否の確認と状況の説明をしたかった。


「あ、いえ…どこも痛くないです…体調も普通………私、倒れてたんですか……」

少しショックを受けているような表情で女性は周りを見回した。


「ここ、どこ…?」

「僕たち今香川県にいますね。」

「…………は………?」

いきなりは?とは失礼な。でも仕方ないよな、この人も知らない遠い地に来てしまったのだとしたら混乱するよなあ。


「どうしよう、私…仕事があるのに…財布もスマホも無いし…どうしたら…」

この人も僕と同じような状況らしい。唯一違うのはニートと社会人という縮められない差だけか。


「と、とりあえずどこかでうどんでも食べて戻る方法を考えるとかどうですかね!?ほら、せっかく香川に居るんだし!」

「もしかしてお兄さんはお財布持ってるんですか…?」

忘れてた。金がないとうどんも食べれない。

「あ………えっと………あはは………」

「ですよね……………」


しまった、今のでうどんの口になってしまった。

財布がないと食事もままならないことに気づいた。

これって非常にまずいのでは。


今からは小銭が落ちてないか下を確認しながら歩かなきゃ行けないな。



そう思って地面を見渡して気づいた。



1人2人じゃない、校内の所々に人が倒れていた。


「なんだ………これ…………」

お読み頂きありがとうございます。

初作品ですので至らない部分が目立つかと思いますが楽しく書いて行こうと思います。

少しでも続きが気になると思ってくださった方はブクマ、評価して頂けるとモチベになります。

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